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リスクの変化に応じた防衛行動を取る?ホトトギスの托卵とウグイスの対抗手段 (2011年09月09日)

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独立行政法人国立科学博物館により、伊豆諸島の三宅島における実験で、ホトトギスの托卵に対するウグイスの対抗手段を明らかにしたことが公表されました。以下が発表された内容です。

カッコウ科のホトトギスは、もっぱらウグイスを托卵相手(宿主)として利用します。托卵を受けたウグイスは、ホトトギスの卵・雛の世話をする羽目になるうえ、ホトトギスの雛がウグイスの卵を巣外に捨て去るため自分の子をまったく残すことができません。

カッコウの宿主の中には、卵の模様や色からカッコウの卵を区別して巣外に捨てたり、托卵に気づくと巣を放棄して再営巣したりして、托卵を拒否するものがいます。しかし、ウグイスとホトトギスの卵はいずれもチョコレート色で模様がなく、ウグイスがホトトギスの卵を区別して托卵を拒否する行動は見られません。

今回、ウグイスは托卵されてからではなく、托卵される前に対抗手段をもつことが明らかになりました。ホトトギスの剥製を巣の前に置くと、ウグイスはそれを激しく攻撃。しかし、無害なキジバトの剥製にはほとんど反応しませんでした。このことから、ウグイスは托卵にやってきたホトトギスから巣を守り、托卵を妨げるものと考えられます。

さらに、ウグイスは托卵をされるリスクに応じて、巣の防衛行動を調節していたこともわかっています。ウグイスは暖かい地方(例えば関東地方低地)では4月に繁殖を始めますが、夏鳥として渡来するホトトギスが托卵を始めるのは6月になってからです。ウグイスはホトトギス渡来前よりも渡来後に、剥製を激しく攻撃したことが明らかになっています。

托卵に抵抗できないように見えるウグイスの親も、人の目に触れない形で托卵回避を行っていました。しかも、ホトトギスをもともと認識できるが、托卵されるリスクが高い時期になると厳戒態勢をとるように防衛行動を調節することがわかりました。

この地球上にはたくさんの生物が暮らしています。まだ知らない生物について、子どもたちと一緒に生態を調べてみるのも楽しいのではないでしょうか。

ホトトギスの托卵に対するウグイスの対抗手段‐リスクの変化に対応した防衛行動の調節‐



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投稿者 kksblog : 2011年09月09日 13:56


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