●銀河系の中心では、数万年ごとに「星のベビーブーム」が起きている!? (2011年09月03日)
地球や太陽、夜空に輝く星々、それらが存在する宇宙ですら、「常にある」ものではなく、遙かな昔に「生まれた」ものです。私たち生き物からすると、星の一生はとてつもなく長い時間ですが、それぞれに誕生のとき、最期のときがあるのです。
東京大学、国立天文台、などから研究者が参加したチームは、銀河系の中心で数千万年ごとに「星のベビーブーム」が起きていることを示唆する観測結果を発表しました。天の川の中心(銀河系の中心)領域に「セファイド変光星」という天体が存在することを、世界で初めて見つけることに成功したのです。
銀河に存在する多くの星々がいつ作られたのか、それを探ることが銀河の進化を探るのに役立ちます。多くの銀河の中心領域には巨大なブラックホールがあり、また私たちがいる銀河系の中心では、多くの星が生まれていることが分かっています。しかし、星の年齢を推定することは容易でなく、どのように星が作られてきたかという歴史は分かっていませんでした。
そこで着目した「セファイド変光星」は周期的に明るさの変わる星で、その周期と星の年齢との間には関係があり、周期を知ることで星の年齢を推定することができます。銀河系の中心にセファイド変光星を見つけられれば、その場所でいつどのように星が作られてきたかを調べられます。しかし銀河系中心は宇宙の塵の影響が大きく、観測は難しいものでした。
そこで可視光よりも塵の影響が小さい赤外線に着目し、2001年〜2008年の8年間にわたって、名古屋大学と国立天文台が南アフリカに建設した望遠鏡と近赤外線カメラを使い、銀河系中心の方向を繰り返し観測しました。これにより、宇宙の塵に隠された星を見つけられ、画像に写った10万個近くの星の中に、3個のセファイド変光星を発見したのです。これらの周期から星の年齢は約2500万歳だと分かりました。さらに、それ以前の3000〜7000万年前には生まれた星が少なく、銀河系の中心では数千万年の周期で星が多く生まれる時期があることが示唆されたのです。
研究チームは、今回発見された天体をさらに調べることにより、星生成を促すメカニズムについて、より詳しく調べるとしています。地球から見て、銀河系の中心はいて座の方向にあります。あそこで、新しい星がどんどん生まれているのかもしれない、と思うと、星空を見るのがもっと楽しくなりそうですね。
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投稿者 kksblog : 2011年09月03日 11:20