●生徒指導に関する教員研修の在り方についての研究報告~文部科学省 (2011年09月02日)
文部科学省では、生徒指導に関する教員研修の在り方についての研究を行なっており、その研究報告が公表されました。
生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めるように指導、援助するものであり、学校がその教育目標を達成するための重要な機能の一つです。しかし、これまで、学校における生徒指導が問題行動等への対応にとどまる場合があり、また、教育相談との乖離という問題も指摘されてきました。
そこで、教職員が、問題行動等への対応にとどまらず、授業など学校教育の各場面に応じた生徒指導を実践することができるよう、必要な力量を効率的に習得させるための教員研修の在り方について検討を行なってきました。
生徒指導の本質は、すべての児童生徒の自己指導能力を開発すること。学校には、すべての児童生徒の全人的な成長・発達を促す取組を展開することが求められます。また、今日的な状況や児童生徒の実態を踏まえた予防的な取組や問題解決的な関わりも必要不可欠です。
そこで、教職員に必要な能力は、児童生徒一人一人と信頼関係を構築する能力。そのためには肯定的な児童生徒観に立脚した共感的態度や尊重的態度が必要です。また、児童生徒の置かれている実態や発達の在り方は多様であることから、教職員にはその個別性や多様性を尊重する姿勢とともに、様々な資料を活用したり、丁寧な観察を通じて必要な情報を収集、分析し、一人一人、あるいは子ども集団の状態や心理を理解し、ニーズを特定する能力が求められます。
求められる力量を身につけるために、研修のあり方が重要となります。国においては、生徒指導に関する全国的な水準をリードすべく、最新の生徒指導の動きや先進的な知見・指導技法を身に付けた人材を育成するため、教職員の資質向上のための取組を継続的に実施することが求められます。具体的には、教育委員会あるいは学校において実施する生徒指導に関する研修の企画・立案や講師を担います。そして、国の研修を受けた教職員は、学校現場の生徒指導を充実を図ります。
学校現場での研修は、生徒指導の基本的な考え方を全教職員が共有できることが最も重要であることから、学校にはまずそのための仕組みづくりが求められます。次に自校の実情を的確に把握し、そこから導き出される生徒指導上のニーズをもとに全体の研修を立案していくことが必要となります。最新の知見が全教職員に迅速に習得され、学校の実態に沿って計画的に研修が実施されるためには、様々な研修の工夫が必要であり、また、日常の諸活動を研修の機会としてとらえ、柔軟でかつ多様な発想が不可欠といえます。
国、教育委員会、学校がそれぞれ、互いの役割と分担を踏まえて研修が実施され、生徒指導の充実につながるといいですね。
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投稿者 kksblog : 2011年09月02日 17:12