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背骨を持たない「ヌタウナギ」に背骨の痕跡?!脊椎骨には2つの遺伝子が発現 (2011年07月08日)

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独立行政法人 理化学研究所は、背骨を持たない脊椎動物「ヌタウナギ」に背骨の痕跡を発見したことを明らかにしました。

今回の発見は、理研発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)形態進化研究グループの倉谷滋グループディレクター、太田欽也研究員らの研究成果で、これまで語られてきた「背骨の進化過程」を覆す新しい仮説を導き出す結果となりました。

ヌタウナギ類は、一見背骨がないように見えることから、祖先的な形態を残した脊椎動物であると考えられることが多く、一般的な脊椎動物学の教科書にもそのように記述されています。

一方で1900年には、米国の学者がヌタウナギ類の成体に「非常に小さな背骨に似た軟骨」を発見し、ヌタウナギ類にも背骨があることを示唆する報告をしていました。しかし、ヌタウナギの骨格の発生過程の観察が困難だったため、本当にこの背骨に似た軟骨が、ヒトを含む脊椎動物に広く存在する脊椎骨と同じであるかどうかについては、未解明のままだったのです。

研究グループは、ヌタウナギ類もヒトと同じように背骨を作る発生メカニズムを持っているのではないかと考え、実験室の水槽で日本産ヌタウナギ類の一種(ヌタウナギ属ヌタウナギ)の胚を得て、成体とともに詳細に観察。

その結果、1900年の発見と同様に、ヌタウナギの尾部に複数の小さな軟骨の塊を発見し、この軟骨が脊椎骨と同様の形態学的特徴を持っていることを見いだしました。さらに、胚の組織切片標本を観察したところ、脊椎動物の背骨の元となる細胞集団と同様の細胞集団を確認、そこでは、脊椎骨の形成に必要な2つの遺伝子が発現していることを突き止めました。

研究グループはこれらの知見から、「現生脊椎動物全ての共通祖先は、約5億年前に、すでに背骨を作り出す細胞集団と分子メカニズムを持っていた」という仮説を導き出すことに成功しました。

地球には、まだまだ知られていない謎がたくさんあります。たまには、大人も童心に帰って、色々なことにワクワクする心を取り戻してみてはいかがでしょう?

背骨を持たない脊椎動物「ヌタウナギ」に背骨の痕跡を発見|理化学研究所



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投稿者 kksblog : 2011年07月08日 16:30


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