●ISS長期滞在中の古川宇宙飛行士が、病気の子どもたちと交信 (2011年07月06日)
6月8日にソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)に向かった古川聡宇宙飛行士。第28次/第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに約5ヶ月半滞在し、「きぼう」日本実験棟での実験運用やISSの運用・維持管理を行います。
日本時間の6月23日夜に、古川宇宙飛行士は長野県立こども病院の院内学級で学ぶ子どもたち11人と、衛星回線を通じて20分間の交信をしました。「宇宙でけん玉ができますか」「宇宙から聞こえる音はありますか」「宇宙でペットは飼えますか」といった子どもたちからの質問に、古川宇宙飛行士は笑顔で丁寧に回答していました。
この交信が実現したのは、古川宇宙飛行士の中学・高校時代の後輩である同病院循環器小児科の医師が、JAXAの公募に応募したのがきっかけでした。医師でもある古川宇宙飛行士が病気の子どもたちに勇気を与えられるとして、優先的に選定されました。
病気治療中の子どもたちからは、医療に関する質問も聞かれました。「宇宙での注射は地上とは違いますか」という質問には「地上と道具もほとんど同じですが、空気を抜くのが難しい。けど、少しぐらい空気を血管に注射しても大丈夫です」と答え、「宇宙で点滴はできますか」との質問には「地上では、点滴はぽたぽたと重力を使って落ちる。それができないので、圧力をかけ、ポンプを使います」と答えていました。
今年の夏から秋にかけては、多数の応募されたアイデアから選ばれた、「宇宙医学にチャレンジ!」「宇宙ふしぎ実験」の実験を行う予定です。長期滞在クルーは、さまざまなミッションに関わって忙しい毎日を送っていると聞きます。それでも送られてくる映像で見るクルーたちは、古川宇宙飛行士だけでなく、みんな笑顔で過ごしています。きっと厳しい訓練を経て到達した目標の場所にいることで、毎日が充実しているのでしょうね。そんな宇宙飛行士たちの姿が、子どもたちの「きぼう」になることでしょう。
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投稿者 kksblog : 2011年07月06日 09:23