●清の時代までの漢字集大成「康煕字典 内府本」iPad版電子書籍で発売 (2011年07月13日)
「じしょ」という読みを変換して出てくる言葉の中に「字書」があります。別名「字典」と言い、文字通り漢字を分類した辞典のことです。その数や歴史は中国が最たるものであることは当然ですが、日本の「大漢和辞典」も「字典」にあたります。
パーソナルメディア株式会社は、日本の漢字の活字字体の典拠(たしかな拠りどころ)とされている漢字字典「康煕字典(こうきじてん)」の「内府本(ないふぼん)」を、iPad用の電子書籍として販売を開始しました。App Storeから購入することができます。
「康煕字典」は中国が清の時代に、当時の皇帝であった康煕帝の命によって編纂されたものです。張玉書、陳廷敬ら30名によって、6年の編集期間を経て1716年に完成しました。漢野時代の「説文解字」以来の歴代の字書の集大成と言うにふさわしく、全42巻、収録文字数は49,030にのぼっています。現代でも部首別漢字字典の規範となっており、パソコンなどの文字に充てられているUnicode内の漢字コードの配列順にも使われています。
「内府本」とはこの「康煕字典」の中でも、清朝内務府が発行した初版のもので、「武英殿本(ぶえいでんぼん)」とも呼ばれています。「内府本」は日本に数冊しか存在しない、非常に貴重な資料で、今回発売された『康煕字典 内府本』は、東京大学東洋文化研究所所蔵の内府本の一つである『御製康煕字典』を、オリジナルの装丁のままクリアな画像イメージで再現しています。
「内府本」の大きな特徴に「欠画(けっかく)」があります。字の一部が書けている文字ですが、皇帝の名前と同じ漢字を書くのは畏れ多いと、完全な字が書かれていないのです。こういった部分も忠実に再現しています。また、康煕字典の全収録文字をパソコン用の文字で書き起こした「収録文字一覧」が付いています。これによって康煕字典の字形と現在の漢字の字形を比較して確認できます。
当時の中国で文化や学問が進んでいたこと、また皇帝の権力の大きさなど歴史がうかがえる一冊です。歴史や国語、書道の資料として活用もできそうですね。
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投稿者 kksblog : 2011年07月13日 10:28