●小学校での外国語活動完全実施を前に、学校・教育委員会の現状は (2011年05月09日)
今年4月より小学校での外国語活動が完全実施となりました。これについて、財団法人日本英語検定協会では、全国の公立小学校、全国の都道府県及び市町村の教育委員会を対象に『小学校の外国語活動に関する現状調査』を実施し、その結果を取りまとめました。
これによると、5、6年生の約8割がすでに「年間23〜35時間」の外国語活動を実施していることが分かりました。これは2007年度におこなわれた前回調査の結果と比較してみると大幅に増加しており、完全実施を前にした移行期間を経て、活動時間を増加している傾向にあるようです。
完全実施にあたっては5、6年生で年間35時間の外国語活動を行うわけですが、小学校を対象に導入についてスムースに進むと思うかを尋ねたところ、「スムースに導入できる」が45.2%、「課題はあるが導入の見通しは立っている」が41.3%と、あまり不安は感じられませんでした。一方で問題点や課題について、選択肢の中から選ぶ方式で尋ねたところ、「指導内容・方法」「指導者の質・技術」「評価内容・方法」が上位に上がりました。
教育委員会としての外国語活動に関する注力項目については、「ALTの派遣・連携」「教員の意識改革・指導力向上」「教員研修の実施・充実」など、おもに指導、教育体制の充実に向けられているようです。外国語活動に関する教員研修について、「実施している」「実施する予定」を合わせると7割近くにのぼり、2008年度に英検協会が実施した「公立小学校の外国語活動に関する現状調査」において、研修を実施していた教育委員会が35.3%であったことと比較すると大幅に増加していることが分かります。
このように全国の公立小学校・教育委員会では外国語活動の完全実施に対して取り組みを行っているところが多いようです。それでも小・中学校間での接続、指導内容のギャップなど、実践してみないと分からないような不安・課題も残っていますし、新たな課題が見つかることも考えられます。問題を一つ一つしっかりと検証して、子どもたちの学びを確かなものにしてもらいたいですね。
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投稿者 kksblog : 2011年05月09日 13:46