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日本の赤外線観測衛星「あかり」が明らかにした、赤色衛星の「塵の衣」 (2011年04月07日)

akari_110407.jpg2006年2月に打ち上げられた日本初の赤外線天文観測衛星「あかり」が、地球から528光年の距離にある「うみへび座U星」ならびに、836光年の距離にある「ポンプ座U星」の観測を行いました。これらの星はいずれも年老いた赤色巨星で、「塵の衣(ダストシェル)」と呼ばれる、星を取り巻くものの構造を世界で最も詳細に解明しました。

ダストシェルは、太陽のような星がその終末期に自らの物質を放出する「質量放出」によって作られたもので、その中には星の内部で作られた炭素などの元素が含まれています。質量放出は星の終末期の進化や次の世代の星生成に重要な過程であり、最近の研究では質量は一定の割合で放出されるわけではなく、間歇的に放出が起こっていることが分かってきました。今回の「あかり」の観測では、この層構造を鮮明にとらえ、星野終末期の現象を明らかにしています。

うみへび座U星の遠赤外線観測では、美しい円形のダストシェルが観測されていますが、その広がりに比べて非常に薄いことがわかりました。このことは塵やガスの放出が、偏り無くあらゆる方向へ、かつ短期間に集中して行われたことを示しています。千年という星の時間にとっては短い期間で、地球30個分ほどの塵と、その100倍ほどのガスが一気に放出されたのだそうです。

ポンプ座U星の観測では、ダストシェルの観測としては世界で初めて中間赤外線での画像取得に成功しています。中間赤外線観測は空間分析に優れており、より詳しくダストシェルの構造を調べることができました。こちらも丸いダストシェルが確認されましたが、およそ50度温度の異なる二層構造からなっており、塵の固体微粒子の大きさ、含有するガスの量の違いによるものと考えられています。

研究グループは今後、さらに多くの星について解析をすすめ、年老いた星の活動と、その宇宙の進化に対する役割についてより詳しく探っていきます。歴史は人間から比べるとあまりに永い星の歴史を探る研究、今後も興味深く見守っていきたいですね。

あかり(ASTRO-F)観測成果:国立天文台



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投稿者 kksblog : 2011年04月07日 09:47


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