●大学等の就職内定状況は昨年よりダウン 国による就職支援の強化への取組み (2011年03月25日)
文部科学省と厚生労働省では、平成23年3月大学等卒業予定者の就職内定状況を共同で調査しています。この度平成23年2月1日現在の状況が取りまとめられ、文部科学省のサイトで公表されています。
これによると大学等の就職内定率は、大学(学部)は77.4%、短期大学は63.1%で、それぞれ昨年同期より2.6ポイント、4.2ポイント低くなっています。また高等専門学校は97.3%、専修学校は69.5%で、こちらも昨年度よりそれぞれ約3ポイント低くなっており、学生の就職には厳しい状況が続いているようです。
こうした状況を受けて、文部科学省と厚生労働省、さらに経済産業省では、新卒者の就職支援のための対策として「卒業前最後の集中支援」を実施し、一人でも多くの学生が内定を得られるよう、学生の就職環境の改善に努めています。また3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって新卒者などの就職活動等に影響が及ぶ可能性も考えられるため、今後の対応策についても検討しています。
これまでの取り組みとしては、大学等へキャリアカウンセラーの増員、文部科学大臣による主要経済団体への訪問、意見交換などが行われています。大学ではキャリアカウンセラーの増員を行うことによって、就職支援の強化や就業力を向上させるための支援プログラムの充実を行っています。一方で文部科学大臣から就業力の育成、笠政務官からハローワークとの連携など就職支援の強化を要請しました。
企業・経済団体に対しては、文部科学大臣が主要経済団体へ新卒者などの採用枠の拡大を要請したほか、文部科学、厚生労働、経済産業の各省の大臣の連名で、経済団体・業界団体へ向けて新卒者の採用に関する要請文を平成22年10月8日と平成23年2月16日の2回発出しています。
「就職氷河期」という言葉が生まれた1990年代から長きにわたり、就職を取り巻く環境は厳しさが続いています。大学で勉学よりも就職活動が優先されるといった状況を嘆く声も聞かれますが、これからの生活基盤を作るためのことと考えると一概に責めることも難しいでしょう。今後社会を担う若者の支援をどのように行うべきなのか、現代の雇用システムの見直しなども含めて取り組んで行く必要がありそうです。
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投稿者 kksblog : 2011年03月25日 08:29