●しぼむ希望と悪化する将来見通しで、暗い未来をイメージする人が増加 (2011年02月19日)
東京大学社会科学研究所が、『働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査』を実施し、その結果を公表しました。
2007年より、同一の調査対象者に対して毎年追跡調査を行なっており、急激な少子化・高齢化や世界的な経済変動が人々の生活に影響を与える中で、日本に生活する人々の働き方、結婚・出産といった家族形成、社会や政治に関する意識・態度がどのように変化いしているのかを探索することを目的としています。
結果から、悪化する将来見通し、所得低下リスクの増大という暗い未来を感じていること、また自己啓発への関心が非常に高いことがわかりました。
2007年から2010年の間には、リーマンショック、政権交代など、人々の社会観に大きな影響を与えると思われる事件が相次いだことで、将来への希望を持つ人は43%まで減少。しかし生活全般の満足度については65%と大きな減少はみられません。現在の状況は認知しつつ、未来に対する希望や将来への見通しは悪化していることがわかります。
近年、所得格差の拡大、平均的な所得水準の低下も指摘されています。「高層」「中層」「低層」の所得段階に分けて所得低下の傾向を調べると、「高層」の所得低下は10%に満たないのに対し、「低層」は30%前後も低下。20代では40%にも達します。これは所得低下のリスクが若年、低所得の周辺部分で集中的にあらわれているということで、雇用状態の不安定を反映しているようです。
自己啓発への関心が高く、熱心に勉強に取り組む人たちがいる中で、企業は厳しい経済状況により、社員の教育訓練を行なう余裕がなくなってきています。そのため正社員であるかどうかで、職場での教育訓練や自己啓発を受ける機会に差が出てきており、特に女性において顕著に表れています。社員にとって、自己啓発の阻害要因は時間不足。一方、非社員は、10年後には正社員として働いていたいと考える人たちが多いなかで、自己啓発を行なうにあたり、費用が高額であることが妨げになっているようです。こうした人たちの自己啓発を金銭的な面で支援する政策が求められます。
若い世代に対しては特に、格差が少なく、安定した雇用状況で、「明るい未来」に向かっていけるような社会になることが望まれますね。
« オリジナル表紙の「キャンパスノート」が作成できるウェブサイト~コクヨ | トップページへ 幼児の脳発達の過程には複数のプロセスが存在~東京大学 »
最新記事一覧
- スポーツ指導者必携! 豊かな心を育み、強い絆をつくる新しい時代のコーチング本(2013年11月23日)
- 「エコプロダクツ 2013」が、東京ビッグサイトにて12月に開催されます(2013年11月22日)
- 関西四大学が入学生を対象に『薬物に関する意識調査』を実施(2013年11月21日)
- グッドデザイン賞受賞の「超変換!!もじバケる特選」、新たに6種類を発売
- メダリストの講演やシンポジウムも 「生涯スポーツ・体力つくり全国会議」(2013年11月20日)
- 秋の「SACLA(サクラ)見学ツアー」最先端研究施設でオイシイ発見をしよう
- キッズ用ブルーライト対策メガネ エレコムより新発売
- クロスリンクマーケティング、子ども向けタブレット端末「Rainbow Pad」、トイザらスで販売(2013年11月18日)
- 教育支援コーディネーター・フォーラム参加者を募集、模擬授業体験や講演も
- 元栄養教諭らが運営する学校給食サイト「おkayu」がオープン
- 大学における教育内容等の改革状況を調査~文部科学省
- 宇宙実験を知る 日本マイクログラビティ応用学会による公開講演・公開展示
- 反転授業の動画とパンフレットを公開 ゼッタリンクス(2013年11月15日)
- 自分らしさを伝え、記入・提出を効率的に~ エントリーシート「OpenES」学生登録開始
- 世界に飛躍できる人材を~進学・留学・キャリアの相談・体験イベントを開催(2013年11月14日)
投稿者 kksblog : 2011年02月19日 05:40