●公立中学校でのアンケート結果を分析・公表 東大とベネッセの共同研究 (2011年01月26日)
東京大学教育学部比較教育社会学コースと、Benesse教育研究開発センターが共同研究として、神奈川県の公立中学校の生徒と保護者を対象とした調査を行いました。その2次分析の結果、報告書がベネッセのホームページで公開されています。この中では、神奈川県の公立中学生の学習習慣や自己意識、また保護者との関わりや子育てについて、多様な角度から分析が行われています。
結果から学校への満足度について見ると、生徒の場合は約7割が「学校生活に満足」に「あてはまる」と答えています。その中で最も満足度が高いのは「クラスの友達」で80%でした。最も低い「学校の授業」でも約60%が「あてはまる」と答えています。保護者の学校に対する満足度は、項目を細かく聞いていますが、いずれも期待に対して満足度は低く、ほとんどの項目で満足度は50〜60%程度でした。満足度が高かったのは「規則正しい生活」で、逆に低かったモノは「受験に役立つ学力」で満足度は39.5%でした。
保護者の学校に対する意識を「期待−満足度」で表してみると、「受験に役立つ学力」「学ぶ意欲を高めること」の2点で数値が大きい、すなわち期待に対して満足度が低いということになります。学習内容については、主要5教科と総合学習を合わせた教科のなかで「ドリルや教科書の問題を解く授業」が多いことが分かりました。グループで協力して調べる、議論をしたり意見を出し合ったりする、といった授業は少なく、習熟度別の授業は「ほとんどすべて」と「半分より多い」を合わせてもごくわずかでした。
この調査は、東京大学教育過程の中で例年開校されている「社会調査実習」の一環であり、例年データ作成を年度内に行い、翌年度の東京大学五月祭での調査結果報告シンポジウム開催に使われるだけでした。調査データに分析を加え、得られた知見などをまとめて、報告書の形にしたものをBenesseのサイトにアップされたものです。
ここでは調査結果の中で比較的分かりやすいものをピックアップしましたが、実際の報告書ではさまざまな質問と回答、そして分析が掲載されています。深く読むことで、中学生と保護者、そして学校が抱える問題を解決する手がかりになるかもしれません。
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投稿者 kksblog : 2011年01月26日 09:20