●左巻きカタツムリの進化は、ヘビから逃れるための適応進化だった! (2010年12月17日)
東北大学大学院生命科学研究科に所属する日本学術振興会特別研究員の細将貴(ほそ まさき)氏らにより、巻き方向の逆転による左巻きカタツムリの種分化が、カタツムリ食の特殊なヘビから逃れるための適応進化として引き起こされたことが発見されました。
この研究成果は、2010年12月8日午前1時(日本時間)、英国の学術専門誌Nature Communications にオンライン掲載されました。
今回の成果でわかったことをわかりやすく簡潔に言えば、理論上は進化できないはずなのに実在する左巻きカタツムリの謎を解明したこと、種分化が天敵から身を守るための適応進化の結果として起きることを実証したこと、ひとつの遺伝子が種分化と適応進化の両方に大きな効果を持つことを発見したことの3点です。
なお、種分化とは、個体発生の初期に働く遺伝子のひとつに変異が生じることによって巻き方向の逆転が起こることから始まります。巻き方向が逆転すると通常の個体とは交尾することが難しくなってしまいます。
そのため、ある地域に逆巻き突然変異個体が出現して数を増し、地域集団全体が一匹残らず逆巻きになってしまうと、その集団はもはや他の地域の集団と遺伝子を交換することができなくなります。これで種分化の完成となります。
生物多様性は、長い年月をかけた種分化の繰り返しによって創り出されてきました。したがって、種分化のメカニズムを解明することは、進化生物学における最大の研究命題のひとつだと言われています。
今回新たに解明されたことが、今後の研究への大きな前進となりそうです。カタツムリは子どもたちも人気がありますし、こういったところから生物の興味につなげていくのも良いのではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2010年12月17日 21:51