●「デジタル教科書」推進に向けての提案と要望~日本数学会 (2010年11月22日)
最先端の情報通信技術(ICT)を応用した電子教材「デジタル教科書」の学校現場導入に向けて、検討や議論が繰り広げられていますね。日本数学会をはじめとする諸教育団体が、「デジタル教科書」推進に際しての提案や要望を声明として公表しています。
声明では、「デジタル教科書」は、将来にわたって日本の教育を高めていく上で必須のものでありながらも、あくまでも教育の手段であり、特に初等中等教育における「デジタル教科書」の活用に関しては、生徒・児童の発達過程およびその教育内容との関連についてこれまでに行われてきた検討・試行・研究を、技術の進化を踏まえて、さらに深めていく必要があるとしています。また、「デジタル教科書」の活用に向けて活動する際に配慮することを具体的に項目化して挙げています。
項目の中では、例えば「デジタル教科書」の導入が、手を動かして実験や観察を行う時間、児童・生徒が紙と筆記用具を使って考えながら作図や計算を進める活動や児童・生徒が自らの手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動の縮減につながらないことなどを要望しています。これは、理科においては、実際に実験などを行い、自然現象を観察すること、理数系の各科目においては、紙と筆記用具を用いて事項を整理したり、計算や証明の過程を適切に配置する訓練を積むことが重要であることを示しています。また、生徒が学習した内容を自分のものとして定着させるためには、自発的に学習内容を記録・整理する時間を十分取ることが不可欠であることなどを訴えています。
その他にも、情報機器の長時間にわたる使用が、児童生徒の視力をはじめとする身体能力やその発達に悪影響を与える可能性についてや、児童・生徒の学習行動を電子的に記録・集約・保管することから、プライバシー情報の管理についてなどにも十分な検討が必要としています。
国際競争力を高めるためには、「デジタル教科書」の導入は必須とされながらも、メリット、デメリットも多くあるようですね。紙媒体の検定教科書を全面的に廃止して電子機器に移行する、あくまでも紙の教科書を基準とし、そのデジタル版を併用するなど、、「デジタル教科書」の利用方法はいろいろ。導入による得失を見極めるためにも十分な検討が必要そうですね。
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投稿者 kksblog : 2010年11月22日 15:11