●「はやぶさ」のカプセル内の微粒子は、小惑星イトカワのものだった! (2010年11月19日)
今年6月に地球へ帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの中に入っていた微粒子について、分析が進められていました。そしてついに、それがイトカワのものであるという分析結果が得られたようです。
JAXAは11月16日、「はやぶさ」が持ち帰った微粒子のなかで、岩石質と同定された1,500個程度の微粒子のうち、ほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断された、と発表しました。地球以外の天体から物質を採取して持ち帰ったのは、アポロ計画・ルナ計画の「月の石」以来のことで、小惑星からの採取は世界初の快挙です。
「はやぶさ」のサンプル収納容器は、サンプルキャッチャーA室とB室という2つの部屋に別れており、今回イトカワのものだと判断された微粒子は、A室から採集されたものです。SEM(走査型電子顕微鏡)で観察・分析したところ、見つかった鉱物は、かんらん石、輝石、斜長石、硫化鉄、その他の微量鉱物でした。この中で最も多く存在したのはかんらん石で、これは隕石の特徴と一致し、地球上の岩石とは合いません。
さらに、かんらん石中の鉄・マグネシウム比は、「はやぶさ」に搭載されていたリモートセンシング機器で推定した、イトカワの表面物質のデータと整合し、地球マントルの典型的な岩石の組成範囲とは違いました。地球上の一般的な火成岩(玄武岩や安山岩など)が、回収された試料容器内から見つかっていないことも、地球上での混入でなくイトカワのものであると判断された根拠の一つです。
JAXAでは、これらの微粒子をより詳細に分析するために必要な取扱い技術と関連装置の準備を進めています。10ミクロン以下という非常に細かい粒子であるために、特別なスキルが必要だということです。今後の分析によって、太陽系の起源と進化の解明が進むことが期待されています。
帰還から約5ヶ月、「はやぶさ」ファンが待ち望んでいた知らせですね。今回の発表では、微粒子・隕石と地球の組成物の違いについて触れられています。鉱物の種類やその組成について、詳しく調べてみるとさらに面白いかもしれませんよ。
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投稿者 kksblog : 2010年11月19日 11:57