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注意力散漫な子どもにホワイトノイズを流すと学習効果アップ?! (2010年10月10日)

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ノイズといえば、通常は集中の妨げになるものですが、人によっては、ノイズが集中に役立つこともあるのだそうです。ストックホルム大学の研究者らが行なった実験により明らかになりました。

実験によると、普段注意力が散漫で、教師の話を集中して聞くことができない子どもに、すべての周波数で同じ強度となるホワイトノイズを流したところ、学習効果があがったそうです。しかし普段から注意力のある子どもにとっては、ホワイトノイズは、学習の妨げになるようです。

実験の対象は中学生。教師により7段階のリッカート尺度で「注意力」を評価され、注意力散漫なグループとそれ以外の生徒の対象群として、ホワイトノイズの有無による学習効果の違いを比較しました。耳で聞いた文章を記憶するテストを実施し、文章を読み上げる際に、ノイズを含む、含まない状態に。記憶した文章を回答するときはノイズはない状態です。結果、注意散漫なグループと対照群で成績に差はなかったのですが、ノイズの有無で成績をそれぞれのグループごとに比較すると、注意散漫なグループはノイズありのほうが成績がよく、対照群はノイズなしのほうがよいという真逆の結果でした。

また、評価された注意力とノイズ効果を比較してみると、注意力散漫な子どもほどノイズによるいい効果がみられ、注意力がある子どもほどノイズにより集中を乱されやすいという結果でした。そういった結果から、注意力のある子どもと注意力散漫な子どもでは、ノイズ量によるパフォーマンスの差が予測されています。ノイズの効果は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもでも報告されているそうです。

最近の研究では、ドーパミンにかかわる内部ノイズと、人の耳が知覚できないほど小さい音量のシグナルにホワイトノイズを重ねるとシグナルが強まり聞こえるようになるという原理をベースにした計算モデルによって、ドーパミンの低下した状態の人にとっては、適度な雑音がパフォーマンスの向上に貢献するという仮説が立てられています。

一般の教育現場でノイズを流すわけにはいきませんが、注意散漫な子どもを集めた少人数クラスなどでは有効のなのかも。ベストな環境とは一慨にはいえず人によってさまざまであることも教えられますね。


The effects of background white noise on memory performance in inattentive school children



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投稿者 kksblog : 2010年10月10日 11:23


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