●「草食系(?)ブラックホールの発見」~理化学研究所 (2010年09月30日)
2009年10月23日に、いて座に出現したX線新星(天体名:XTE J1752-223)を全天X線監視装置MAXIで観測することにより、新種のブラックホール新星であることがわかりました。
従来のブラックホールを、多量のガスを一気に飲み込む「肉食系」に例えるとすると、XTE J1752-223は、ガスを少しずつマイペースで食べる「草食系」ブラックホールであるといえます。
ブラックホールは単独で観測することが困難ですが、普通の恒星とペアになったブラックホールでは、星からのガスが流入し始めると、電波からX線までの広い波長で爆発的に明るく輝きだすことが知られています。
この爆発現象はアウトバーストと呼ばれており、今回MAXIは、XTE J1752-223が出現してからアウトバーストが終わるまでの8ヶ月にわたり、ほぼ連続的にデータを取得しました。詳しく解析したところ、この星がブラックホールを伴う星であり、ゆっくりとX線の明るさが増加していることを発見しました。
これまで知られていたブラックホールでは、急激なガス流入のため10日以内に明るさがピークに達しますが、XTE J1752-223は3ヶ月もかかってピークにたどり着きました。
しかも、明るくなる過程は単調ではなく、2度ほど明るさが変化しない状態にしばらく留まりました。この階段状の光度変化は、これまでの理論では説明がつかないため、XTE J1752-223は新種のブラックホール新星だと、判明しました。
ブラックホールに草食系のものがあるというのは、なんとも神秘に満ちて興味を惹かれる話題ですね。
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投稿者 kksblog : 2010年09月30日 12:02