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収入格差が教育格差につながる傾向『平成21年度文部科学白書』 (2010年06月29日)

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文部科学省が、『平成21年度文部科学白書』を公表しました。

『文部科学白書』は、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化・芸術にわたる文部科学省全体の施策を広く国民に紹介することを目的として、毎年刊行されています。平成21年度は、日本の教育水準と教育費について、効率行動学校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金制度についての特集と、文教・科学技術施策の動向と展開についての2部構成となっています。

日本の教育の現状としては、学力低下や、修士号・博士号取得者などの高度な人材養成の遅れ、収入の格差が教育格差につながる傾向にあることなどが指摘されています。『文部科学白書』では、教育費を切り口に、教育の現状と課題についてを広くわかりやすく伝えるために、データを用いながら分析しています。

大学卒業までにかかる平均的な教育費は、すべて国公立でも約1,000万円、すべて私学では約2,300万円にも及びます。教育費の高さは、少子化の最も大きな要因の一つといえるようです。所得格差が増大している中、就学援助を受けている生徒が多いほど、学力調査における平均正答率は低い傾向で、両親の収入が多いほど、4年制大学への進学率は高くなっています。両親の所得に、子どもの学力の伸長は左右されているといわざるをえません。

さらに、公財政教育支出の対GDP比の割合は、OECD諸国と比較すると低い水準。日本の政府支出は、教育費の割合が低いことが特徴で、そういったことからも、日本の教育支出は家計負担によって支えられていることがわかります。

白書の中では、義務教育段階における就学援助、高校無償化、へき地学校に通う児童生徒への支援、大学教育の機会提供、学生への経済的支援、修了後の社会における活躍の場の提供など、教育の機会均等をめざす課題が挙げられています。統計、分析結果を反映し、教育への公的投資の必要性などをあらためて検討する必要があるのではないでしょうか。


平成21年度文部科学白書の公表について:文部科学省



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投稿者 kksblog : 2010年06月29日 14:55


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