●文化財の解説を多言語で 「みんなの翻訳」を利用した共同翻訳プロジェクト (2010年05月31日)
神戸市外国語大学と、イギリスのリーズ大学は、両大学の学生ボランティアが、イギリスの小説家ブロンテ姉妹ゆかりの、ブロンテ博物館の英語の展示情報を日本語に翻訳する、という、共同翻訳プロジェクトを行っています。
このプロジェクトに一役かっているのが、独立行政法人情報通信機構と東京大学が運営している翻訳者支援サイト「みんなの翻訳」です。このサイトは、辞書内蔵のテキストエディタ「QRedit」を使って翻訳文書の作成ができ、またその文書を保存・公開したり、翻訳者同士で質問・回答が行うことができます。インターネットにつながったPCさえあれば、世界のどこからでも利用可能です。
ブロンテ姉妹とは19世紀にイギリスで次々と小説を発表したシャーロット、エミリー、アンの3姉妹で、日本ではエミリー・ブロンテの「嵐が丘」がもっとも有名でしょうか。彼女たちとその家族が暮らしていた家が博物館となっており、人気のある観光スポットの一つとなっています。
神戸外大、リーズ大の共同プロジェクトにより、現在この博物館の展示パネルの一部が日本語化されており、日本からの観光客にとって行きやすい場所となりました。この共同翻訳の結果は、ブロンテ博物館のパンフレットとして利用されると共に、Webサイトで公開される予定です。
従来、世界の文化財の多くはその解説などは母国語のみで、観光の国際化にとって大きな妨げとなっていました。そこで、神戸外大とリーズ大は文化財の情報発信の国際化を支援するこのプロジェクトを企画し、国際協力で翻訳するためのプラットフォームとして「みんなの翻訳」が採用されたのです。
このプロジェクトをモデルケースとして、関係4機関は「みんなの翻訳」を利用した共同翻訳プロジェクトを、各地の大学に働きかけ、世界展開をはかっていくということです。バッグパッカーでも気軽に現地の文化に触れ、理解することができるようになるかもしれません。翻訳者もいろんな国の文化に触れ、またその国の翻訳者と交流することで、さらに見聞を広めることができそうですね。
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投稿者 kksblog : 2010年05月31日 12:35