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優れた教師が持つ心的資源と教師の質保証のための研究課題を明示 (2010年04月13日)

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北海道大学の教育科学研究院では、優れた教師が持つ心的資源を、文献的研究によってはじめて明示し、合わせて教師の質の保証に関する問題を解決するための研究課題も導き出しました。

教師には、同じ経験年数でも優れた教師とそうでない教師が存在しているのが現実。しかし、教師の実践的力量は成長していかなければならないものです。優秀な教師の心的資源が明らかになることで、すべての教師が専門職として一人前の教師になるための成長プロセスが解明できればと考えられています。

優れた教師の心的資源は4つあります。
1.「教材内容」、「教授方法」、「子ども」といった知識を獲得していたこと
2.優れた教師は、子どものの学習過程に即して上記つの知識を総合・統合させ、教授戦略として体系化させていたこと
3.優れた教師は、様々な失敗や「出来事」の経験から子どもにつまずきを生起させない学習過程を現実的に展開させるために、「出来事への気づき」を重視していたこと
4.優れた教師は、授業を振り返る「反省的思考」を深めることで、実践課題を形成していたこと

優れた教師は自分の実践課題を形成して授業実践に取り組むことを日常的に積み重ねたことで、優れた授業が展開できるようになったといえます。

今後の教師の質保証についての研究課題としては、「感性的省察」の実体を明らかにしていく必要があること、「活動の中の省察」と「活動にもとづく省察」の双方からの規定性を事例的に検討していくこと、優れた教師の実践行為が、彼らのもつ「信念」や「価値観」の影響をどのように受けているのかといった人間学的な立場から考察していくことが必要と考えられています。

優れた教師になるために、「優れた知識と技術の獲得」は、最低限必要なことであり、そのための研究や実践、あるいは職場環境や研修制度の創造は必要でしょう。さらに優秀な教師が専門職として一皮むけた経験、学びを促す経験、学びを阻害する要因を知ることも必要でしょう。

学校教育問題の解決がなかなか図れない背景の下、こうした研究が生かされ、教師一人ひとりがキャリア発達をめざして日々努めていく姿勢になるといいですね。


優れた教師にみる心的資源を文献研究より明示:北海道大学



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投稿者 kksblog : 2010年04月13日 23:39


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