●日本の固有植物ホットスポット地図を作成 国立科学博物館で展示予定 (2010年04月05日)
独立行政法人国立科学博物館は、開館130周年記念研究プロジェクト「生物多様性ホットスポットの特定と形成に関する研究」の一環として、日本固有維管束植物のホットスポット地図を作成し、日本植物分類学会(3月27日、愛知教育大学)で研究発表を行うことを明らかにしました。
同プロジェクトでは、大量の生物の標本資料を用いて、国内の多様性ホットスポット(生物多様性が高く、優先的に保護すべき地域)を解明する研究が進められています。特定の地域に固有の維管束植物の存在はコンサベーション・インターナショナルによる世界のホットスポット選定基準になっているそうです。
同館では、昨年、絶滅危惧植物ホットスポット地図を作成し、絶滅危惧植物の多い地域トップ10がどこにあるかを明らかにしました。今回作成された地図は、日本固有維管束植物(約2400種類)の標本約17万点の分布を基に、約10km四方のメッシュ単位で固有種指数が集計されています。
得られた分布パターンは、絶滅危惧植物のホットスポット分布と比べると、違いがありながらも、一定の類似が見られます。両者の類似は日本の貴重な固有植物が危ういことを物語っているそうです。
さらに、固有種を、種子で殖える種子植物と胞子で殖えるシダ植物に分けると、両者では全く異なるホットスポット分布パターンが見られます。このことから、未解析の生物についても生物群毎に異なったホットスポットが存在することが予想されています。
これらのホットスポット地図は、研究対象として注目に値する地域や重点的に保全の対象とすべき地域を明らかにする効果的な基礎資料として、今後の活用が期待されています。
このような結果に基づいて多様性の分布を表現した立体地図(「生物多様性地形図(維管束植物編)」)が、同館上野本館で開催される企画展「日本の生物多様性とその保全~生き物たちのバランスの中に生きる~」(会期:5月1日~7月19日)の会場内で展示予定となっています。
普段はなかなか見られないような地図が展示されるようなので、会期中に一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2010年04月05日 19:20