●ゲーム機をもっと学習の場に? 立命館大・ベネッセの共同研究開始 (2010年02月09日)
立命館大学映像学部と、株式会社ベネッセコーポレーションは、2010年1月より「ゲームのユーザーインタフェースのメカニズムを活用した学習コンテンツ」に関する共同研究を開始しました。
教育現場でもペーパーレスで学習ができること、IT利用促進の観点から、情報端末を学習に活用することが求められています。ニンテンドーDS(R)やスマートフォンなどのタッチ機能を持つ携帯端末は、専用のペンで「書く」学習もできるなどで注目されています。その一方で、ゲーム学習の学習効果や品質について科学的な検証されていないこと、「遊び」の要素が強いことからか、ゲームそのものに対する批判も根強いようです。
今回始まった研究の基盤には、立命館大のサイトウ・アキヒロ教授の提唱する「ゲームニクス」があります。テレビゲームには「時間を忘れてやり続けたくなる」要素が意図的に随所に詰め込まれています。本来は飽きっぽい子どもが、テレビゲームは熱中してやり続けられるのも、その要素が気づかれないように組み込まれているからです。この「夢中にさせるメカニズム」を分析して、その要素を多方面の分野に応用できるようにしたものが「ゲームニクス」です。
2009年12月に行われた先行調査によると、学習ソフト使用頻度が高いほど成績アップの効果が見られたようです。冬期休暇前にベネッセが開発したニンテンドーDS(R)用中学理科学習ソフトを中学1年生に配布、任意で使って良いとし、休暇後に行われた学力テストと、以前の夏期休暇後に行われた学力テストの結果、さらに覚醒との教材ソフトに残っている学習履歴、使用後アンケートの回答結果を分析しました。これにより、夏冬の成績差は使用頻度が影響しているという結果が得られたのです。
今後も学習行動と成果の因果関係を分析する研究を進め、その成果を今後のデジタル教材開発に活用することで、より学習効果の高い教材の提供をめざすということです。地道な反復がなにより大事な分野に「夢中になれる」要素がついたら、学力アップも楽しくできそうですね。
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投稿者 kksblog : 2010年02月09日 06:15