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「食事をよく味わいながら規則正しく摂る事」は健康にもダイエットにも効く? (2009年12月21日)

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自然科学研究機構・生理学研究所の箕越靖彦教授の研究グループにより、味わいながら食事を美味しく規則正しく摂ることによって脳の中のホルモン“オレキシン”を放出するオレキシン神経が活性化し、筋肉の代謝を促進して、血糖の上がり過ぎを防止することが明らかになりました。

「味わいながら食事を規則正しく摂ることが健康に良い」のは本当なのか?今回の研究で、その理由の一端が解明されました。

今回、研究グループは脳の中のホルモンである“オレキシン”を放出するオレキシン神経に注目しました。このオレキシンは、脳の視床下部と呼ばれる部分で作用する食欲や睡眠、体内リズムなどに関わるホルモンです。

このオレキシンを放出するオレキシン神経が、「食事をよく味わいながら、美味しく、規則正しく摂る」ことにより活性化します。これによって視床下部内へのオレキシンの放出が促進され、その働きで同量のカロリーの食物摂取であっても、筋肉での糖の利用が活発になり血糖の上昇を抑えることがわかりました。

今回の研究成果によって、このような食習慣と健康との関係を生理学的に説明することが可能となったのです。

オレキシン神経は、睡眠―覚醒のリズムを作り出す脳の働きに関わっており、睡眠中は活動が抑えられます。同研究成果より、夜中に食事をしてすぐ寝てしまうと、オレキシンによって促される筋肉での糖の利用が抑制され血糖がより上昇してしまうと予想されています。

そして、上昇した血糖は筋肉ではなく脂肪組織などに蓄えられ、肥満の原因になる可能性があるとのことです。

箕越教授は、「オレキシンの分泌は強い動機を伴う行動において活発になります。したがって、美味しい食事による味覚刺激やそれに対する期待感だけでなく、肉食動物が餌を捕獲する時やスポーツの開始時などにおいてもオレキシンによる筋肉での糖の利用が活性化され、(中略)行動のパフォーマンスを高める可能性があります。(後略)」と述べています。

ただやみくにも「食べるときはゆっくり良く噛んで!」と子どもたちに言い聞かせても納得してくれない場合は、こうして理由を理論立てて説明してあげると良いかもしれません。また、肥満の子どもにも応用してあげるとストレスのないダイエットにつながっていくのではないでしょうか。

「食事をよく味わいながら規則正しく摂ることは健康に良い」ことを証明/生理学研究所



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投稿者 kksblog : 2009年12月21日 17:59


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