●奨学金の返還延滞者 理由は本人または親の「経済的な理由」が多い (2009年11月30日)
奨学金貸与、留学生支援などの事業を行っている日本学生支援機構では、「平成19年度奨学金の延滞者に関する属性調査」を実施し、その結果を公表しました。延滞者の属性を把握し今後の奨学金回収方策に役立てることがその目的です。
この調査によると、奨学金の返還を6ヶ月以上延滞している人が全体の約7%おり、その理由は本人の低所得、または親の経済困難といった経済的な理由をあげるケースが多いようです。
借り入れた奨学金は、本人が卒業後、収入から少しずつ返還していくというのが一般的ですが、6ヶ月以上の延滞がある場合には、連帯保証人など本人以外のものによる返還が増えるようです。また大学よりも高校・高専で貸与を受けた場合や、女子より男子の方が本人以外が返還者になることが多くなっています。
延滞理由のトップは、全体では本人の低所得ですが、学種が高校、高専や短大では、親の経済困難が延滞理由のトップとなっています。これは本人以外が返還者になる調査と傾向が似通っています。比較的若い年齢で修了する学種では、奨学金の返還を親が担うことが多いようです。
延滞者の職業は無延滞者と比べて正社員の割合が低く、アルバイトなど不安定な職業形態が多くなっています。学種は高校や短大で正社員の割合が低く、短大では無延滞者であっても正社員の割合が低く、半数を切っています。
さらに本人の年収は、無延滞者よりも延滞があるものの方が低い傾向があります。しかし無延滞者のなかにも年収100万円未満の者がある程度おり、低所得ながらも返還している人がいることがうかがえます。
JASSOによると、災害や傷病などで返還が困難になった場合は、本人の申請によって返還期限の猶予がなされるそうです。調査が行われた中で、返済期限猶予の要件に該当するにもかかわらず、延滞になっている人がすくなからずいるようです。困ったときにはまずは相談してみる、救済される制度がないか調べてみる、というように、アクションをとることが何事にも大事なのでしょうね。
平成19年度奨学金の延滞者に関する属性調査結果の公表について-JASSO
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投稿者 kksblog : 2009年11月30日 02:46