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恒星の自転と逆方向に公転する惑星を発見!すばる望遠鏡での観測成果 (2009年11月09日)

subaru_091109.jpg太陽系の中心である恒星・太陽も惑星と同じように自転しています。その自転の向きと太陽系の8つの惑星の公転の向きは同じで、またその軸は10度以内でよく揃っているのだそうです。惑星系の原始星とその周りを周回する惑星の動きは揃っているのが一般的ですが、ハワイのすばる望遠鏡が主星の自転に逆行する太陽系外惑星が発見されました。

この発見は、国立天文台の研究者とマサチューセッツ公開大学の研究者を中心とする2つの研究チームによるもので、すばる望遠鏡を用いてはくちょう座の方向およそ1000光年先にある恒星HAT-P-7の観測を行い、この恒星の周りの惑星HAT-P-7bが恒星の自転の方向とは逆向きに公転していることを発見したのです。

このように惑星の公転方向が逆行したり、公転軌道が自転の方向から大きく傾く現象は、複数の巨大惑星が重力によってお互いをはじき飛ばしたり、伴星の存在によって惑星の軌道の傾きが震動するなどの原因で起こりうることが予測されていましたが、観測によって実際に発見されたのは今回が初めてです。

この発見ができたのは、惑星HAT-P-7bが恒星HAT-P-7の全面を横切るように観測されるからです。惑星の自転方向と逆向きに公転するために、まず恒星の遠ざかる側を隠し、その後恒星の近づく側を隠したことを示唆する「ロシター効果」を検出しました。1000光年も離れたところにある天体は、恒星の光も点状にしか見えませんが、惑星が恒星の近づく側を隠すと遠ざかって見え、遠ざかる側を隠すと近づいて見える、これがロシター効果です。今回は、惑星が順行している場合とは逆転したロシター効果が観測されたのです。
rossiter_091109.jpg今後はHAT-P-7bの軌道ががどのような原因で変化したのかを調査するために外側にあると期待される巨大惑星や伴星を探索することが重要な観測課題になっていくそうです。また、HAT-P-7は2009年3月に打ち上げられたNASAのトランジット観測衛星Keplerの観測領域にあることから、衛星HAT-P-7bの詳細な性質が明らかになっていくことも期待されます。

今回の発見のニュースを見て、太陽系の惑星がすべて太陽の自転と同じ向きに公転していることを知った人もいるのではないでしょうか。新しい発見は、知らなかったこと、不思議だと気づいていなかったことを見つけさせてくれますね。

すばる望遠鏡、主星の自転に逆行する太陽系外惑星を発見


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投稿者 kksblog : 2009年11月09日 14:35


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