●1万倍の世界をもっと身近に公立小学校に電子顕微鏡 (2009年09月24日)
国際競争力の強化として、また国際的な学力テストの結果などから、科学・理科の教育の充実が求められるようになりました。児童生徒の科学への興味関心を高める理科教育の推進に積極的に取り組んでいる宮城県岩沼市では、卓上電子顕微鏡 「Miniscope」 を同市立岩沼小学校(石田弘校長)に導入しています。全国の公立小学校では初となる試みです。
岩沼小学校では、毎月の理科実験教室や、市内小中学校の理科教員に向けた操作講習会が開催されています。7月に実施された体験イベントでは、「Miniscope」を使って鉛筆の芯やカゲロウの目などがスライドに映し出され、1万倍に拡大された世界に会場からは歓声が上がりました。
「Miniscope」 を開発したのは、株式会社日立ハイテクノロジーズ(東京都港区)。同社では 「最先端の顕微鏡を身近に」 をコンセプトに、机上に乗るほど小型で操作も簡便ながら倍率は1万倍の電子顕微鏡を実現したそうです(製品ページはコチラ)。
通常電子顕微鏡といえば、研究開発などに携わる専門家向けのもの。設置のためにも工事が必要で、立ち上げにも時間がかかり、価格は数千万円から1億円とかなり高価です。2005年4月に発売開始して以来、操作性の簡便さから各種テレビ番組に 「1万倍のミクロの世界」 の登場が頻繁になったのも、同社「Miniscope」の登場以来のことだとか。
同社では科学啓蒙活動にも力を入れていて、ミクロの世界を子どもたちが目にする機会をより多く提供することなどを通して、理科離れに歯止めをかけたい考えのようです。標準価格は、495万円。
なお、国産第一号の電子顕微鏡を開発したのは、岩沼市の名誉市民、故只野文哉氏(元・日立製作所中央研究所副所長・工学博士)。今回卓上顕微鏡を導入した岩沼小学校出身です。
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投稿者 kksblog : 2009年09月24日 17:27