●無重力状態では視覚で上下を判断することが不可能、他の感覚が過敏に (2009年08月31日)
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構・生理学研究所の柿木隆介教授や三木研作助教の研究グループは、重力状態においてクルクルと回転しつづけているようなバーチャル映像による視覚刺激が他の感覚、とくに音に対する反応である聴覚にどのような影響を与えているか、その脳の反応を脳磁図(MEG)を用いて調べ、その結果を公表しました。
今回の報告によれば、クルクルと回転しているような画像を見続けている場合には、脳の中の音への反応(聴覚)が過敏になることが明らかになっています。
研究グループは、宇宙環境を再現した地上実験として、国際宇宙ステーション「きぼう」船内のバーチャルリアリティー画像(ソリッドレイ研究所作成)を用いて、クルクル回転する画像を見せ、そのときの脳の聴覚に対する反応をMEGで記録しました。
クルクル回転する画像としては、「目の前が回転するような映像」「床と天井が縦に回っているような映像」「天井や床の方向はかわらず水平方向に回転しているような映像」の3つを用意し、止まっている映像がそれぞれ比較されています。
この結果、床が絶えず回転しているような映像(「目の前が回転するような映像」や「床と天井が縦に回っているような映像」)を見続けたときには、音に対する反応が20%程度大きくなったそうです。
しかし逆に、「天井や床の方向はかわらず水平方向に回転しているような映像」を見ている場合は、そのような効果はあまり見られなかったとのことでした。
柿木教授と三木助教は、「(前略)無重力状態では視覚によって上下を判断することができなくなり、脳の中で視覚に頼れなくなり、聴覚のような他の感覚が過敏になるのかもしれません。」と指摘しています。
このように新しい事実が一つずつわかってくることにより、宇宙がもっと身近に感じられるようになりますね。子どもたちにとってもそれは同じでしょうから、機会があれば宇宙の話などをたくさん聞かせてあげると良いのではないでしょうか。
« 一流商品とは?―ものづくりの文化学を学ぶ | トップページへ 英単語約10万語のネイティブ音声搭載~電子辞書「Papyrus」 »
最新記事一覧
- スポーツ指導者必携! 豊かな心を育み、強い絆をつくる新しい時代のコーチング本(2013年11月23日)
- 「エコプロダクツ 2013」が、東京ビッグサイトにて12月に開催されます(2013年11月22日)
- 関西四大学が入学生を対象に『薬物に関する意識調査』を実施(2013年11月21日)
- グッドデザイン賞受賞の「超変換!!もじバケる特選」、新たに6種類を発売
- メダリストの講演やシンポジウムも 「生涯スポーツ・体力つくり全国会議」(2013年11月20日)
- 秋の「SACLA(サクラ)見学ツアー」最先端研究施設でオイシイ発見をしよう
- キッズ用ブルーライト対策メガネ エレコムより新発売
- クロスリンクマーケティング、子ども向けタブレット端末「Rainbow Pad」、トイザらスで販売(2013年11月18日)
- 教育支援コーディネーター・フォーラム参加者を募集、模擬授業体験や講演も
- 元栄養教諭らが運営する学校給食サイト「おkayu」がオープン
- 大学における教育内容等の改革状況を調査~文部科学省
- 宇宙実験を知る 日本マイクログラビティ応用学会による公開講演・公開展示
- 反転授業の動画とパンフレットを公開 ゼッタリンクス(2013年11月15日)
- 自分らしさを伝え、記入・提出を効率的に~ エントリーシート「OpenES」学生登録開始
- 世界に飛躍できる人材を~進学・留学・キャリアの相談・体験イベントを開催(2013年11月14日)
投稿者 kksblog : 2009年08月31日 19:50