●先生は「ちゃんとできてる」保護者は「まだ不満」?保育に対するアンケート (2009年06月23日)
日本ではおおよそ3歳から就学前の子どもを「幼児」と呼び、多くが幼稚園・保育所などに通っています。幼稚園・保育所の違いを大まかに言うと、幼稚園は幼児教育を行う「教育」の場であり、保育所は保護者の就労などで昼間の保育を担う「生活」の場であるとされています。しかし最近では幼保一元化など従来の枠組みを超えた試みが行われるようになってきました。
ソニー幼児教育支援プログラムでは、保育所・幼稚園の保護者、園長・所長、担任を対象に、保育内容、保育感に対する考えを把握するためのアンケートを2002年度と、2008年度に実施しました。この調査結果は日本保育学会の第56回大会・第62回大会でもそれぞれ発表され、調査結果および学会発表論文がソニー教育財団のホームページで公表されています。
調査の中で、「園に期待している保育内容」について、保護者、園ともに「自分や友だちを大切に思えるようになる」「友だちと仲良くする」「元気に遊んで丈夫な体をつくる」といった項目が上位に挙がりました。保育に求めているものの認識に、保護者、保育者の間で大きなずれがないことが分かります。
ところが保育に対する保護者の「期待」に対する保育者の実践度・満足度の分析を行った結果によると、園長・所長の保育に対する実践度・満足度は、期待に対して「実践できている」「満足している」といった結果になっているのに対し、保護者は保育内容について、期待の高い項目の多くについて、満足を感じていないという結果になりました。特に保護者の期待と満足のギャップが大きい項目は、「自分や友だちを大切に思えるようになる」「友だちと仲良くする」ほか、社会性に関する項目が多く挙がりました。
幼稚園や保育所に期待することは、学校での学習のように結果が分かりやすいものではなく、また幼い子ども達の表現力が未熟なことなどから、期待に対して満足を得にくいのかもしれませんね。それでも期待すること、目指していることは保護者・保育者ともほぼ同じなのですから、相互理解を深めることで、満足度のギャップを縮小することは可能ではないでしょうか。
ソニー幼児教育支援プログラム::発表・研究::保育意識調査・保育学会発表論文
幼保一元化
■関連記事
豊かな人間性を培うために、科学する心を育てる教育を!
「保育所・幼稚園と小学校との連携事例集」および「幼稚園での子育て支援活動事例集」を作成
« いつでもどこでも熱中症予防対策~コンパクトで手軽に使える携帯型「熱中症計」 | トップページへ 太宰治生誕百周年、『走れメロス』は9割以上の人が読んでいる »
最新記事一覧
- スポーツ指導者必携! 豊かな心を育み、強い絆をつくる新しい時代のコーチング本(2013年11月23日)
- 「エコプロダクツ 2013」が、東京ビッグサイトにて12月に開催されます(2013年11月22日)
- 関西四大学が入学生を対象に『薬物に関する意識調査』を実施(2013年11月21日)
- グッドデザイン賞受賞の「超変換!!もじバケる特選」、新たに6種類を発売
- メダリストの講演やシンポジウムも 「生涯スポーツ・体力つくり全国会議」(2013年11月20日)
- 秋の「SACLA(サクラ)見学ツアー」最先端研究施設でオイシイ発見をしよう
- キッズ用ブルーライト対策メガネ エレコムより新発売
- クロスリンクマーケティング、子ども向けタブレット端末「Rainbow Pad」、トイザらスで販売(2013年11月18日)
- 教育支援コーディネーター・フォーラム参加者を募集、模擬授業体験や講演も
- 元栄養教諭らが運営する学校給食サイト「おkayu」がオープン
- 大学における教育内容等の改革状況を調査~文部科学省
- 宇宙実験を知る 日本マイクログラビティ応用学会による公開講演・公開展示
- 反転授業の動画とパンフレットを公開 ゼッタリンクス(2013年11月15日)
- 自分らしさを伝え、記入・提出を効率的に~ エントリーシート「OpenES」学生登録開始
- 世界に飛躍できる人材を~進学・留学・キャリアの相談・体験イベントを開催(2013年11月14日)
投稿者 kksblog : 2009年06月23日 14:11