●子ども達のこころの健康のために、メンタルヘルス教育の導入を (2009年06月19日)
東京学芸大学と、製薬企業である日本イーライリリー株式会社は、「こころの病気を学ぶ授業(うつ病編)の開発」に関する共同研究を行っています。共同研究の一環として、中学生のメンタルヘルスの現状と課題を把握することなどを目的に、首都圏の公立中学校を対象に「こころの病気を学ぶ授業に関する調査研究」を実施しました。
この調査の結果、約99%の中学校に、心の健康状態に何らかの問題を持つ生徒がいることが分かりました。さらに、精神医療専門機関を受診する生徒がいる学校は84%、うつ病の生徒がいる学校は37%という結果に対し、メンタルヘルス教育の実施状況については、「こころの病気」を扱う授業を実施している学校は3割にとどまるという結果でした。
このような状況の中で、多くの教師がメンタルヘルス教育の必要性を認識しているにもかかわらず、教える知識や情報、ノウハウの不足などから、実施状況はきわめて不足しています。メンタルヘルス教育の中で、教師がとりあげたい疾患として「薬物依存症」「うつ病」「摂食障害」「アルコール依存症」などが挙がりました。特に「うつ病」は実際にうつ病にかかっていたり、その予備軍の状態になっている生徒が増えているということもあり、現場のニーズが高いようです。
この調査結果より、東京学芸大学と日本イーライリリー株式会社は、学校に置けるメンタルヘルス教育の授業プログラムの開発に着手しており、完成後、学校現場への提供を行う予定だそうです。
中学生がうつ病、と聞くと「大変な世の中になったものだ」と思う人が多いでしょうが、思春期の頃は友人や家族との関わり、勉強、受験など様々な悩みが生じ、ただでさえ心が不安定になりやすい時期です。心の病気は一度かかってしまうと再発性が高くやっかいです。周囲の大人が正しい知識を身につけて、予防や初期の段階で適切な対処をすることが大切ですね。
「こころの病気を学ぶ授業プログラムの開発に関する調査研究」 - 日本イーライリリー株式会社
メンタルヘルス教育
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投稿者 kksblog : 2009年06月19日 06:28