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観察や実験の機会がない理科教育で、高校生の理科離れ?! (2009年05月21日)

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独立行政法人科学技術振興機構(JST)と国立教育政策研究所は、高等学校で理科を教える教員を対象に、理科の教育環境や研修の状況などに関する実態調査を共同で実施しました。

調査の背景に、日本の高校生の科学に対する意識が国際的に低い水準にあることがわかっており、科学技術の優れた人材の育成状況を懸念し、今後の効果的施策を検討するための基礎資料にするという目的があります。

結果として、高等学校普通科では小中学校に比べて観察や実験が少なく、生徒にとって魅力的な理科教育とは言いがたい状況であることがわかりました。

一方で、理数系の学科(理数科)やスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業指定校においては、理数に関するさまざまな教育活動に積極的に取り組んでいることから、将来の優れた科学者や技術者の人材育成を目指した教育活動を生徒に提供する役割を果たしつつあることがわかりました。

理科の各科目を指導している教員のほとんどは、「専門性が高い」と感じ、また「理科の授業に日ごろから力を入れて取り組んでいる」ことに「そう思う」と7割ほどが回答しています。熱心な指導の下で授業が行なわれているようですが、探究的活動や課題研究の指導を重視しているかについては「思う」と回答した普通科教員は低く、そういったことに割り当てる時間数は年に「3時間以下」が8割近くに及びます。観察や実験を行なうにあたって障害となることは、「授業時間の不足」と「大学入試への対応のための指導に時間を取られる」とあげる教員の割合が高くなっています。

SSHでは、生徒の理数に関する課題研究作品を校内で発表したり、調査研究したことをプレゼンテーションする力を高める学習を実施したり、科学オリンピックや科学に関するイベントへの参加を紹介したりなど、生徒が自然と科学技術に興味をもち、将来かかわって生きていくことにつながる教育を行なっているといえます。

実験や観察が面白くて、理科が大好きだった子どもも、次第に興味を失い、理科から離れていくのが今の日本の理科教育の現状のようです。子どもの頃からの探究心を、理科教育によってさらに向上させ、それが未来の科学技術の進歩につながる。理科教育の理想ですね。


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投稿者 kksblog : 2009年05月21日 15:12


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