●脳はデジタル時計、アナログ時計の組み合わせで「間」を計っていた (2009年03月10日)
私たちは日常の中で、意識せずに「間」を取っています。会話をする時、こちらが話し終わった瞬間に相手が話し始めたら、せわしなく、相手がイライラしているように感じられますよね。時間の「ため」は人間のコミュニケーションに不可欠なものです。
「間を取る」ときは脳の中で必要な時間をはかっているのですが、その仕組みを玉川大学脳科学研究所の丹治順所長と、東北大学大学院医学系研究科の虫明元教授(生体システム生理学)らのグループが解明しました。脳内で時間がどのように作られているかについて、細胞レベルで解明されたのは初めてです。
実験では、2秒、4秒、8秒などの待ち時間をサルに色で覚えさせ、色で示した待ち時間の後に該当する秒数のキーを押す作業をさせました。このときに脳の状態を調べたところ、前頭葉には時間の長さを特定化する細胞と、時間の長さに応じて活動を変化させる細胞の2種類が発見されました。
一方の細胞はデジタル時計のように時間の長さを示し、一方の細胞は砂時計のようにアナログな時間のはかり方をすることで、日常の時間表現を表しているというのです。
これらの細胞は、時間の経過と共に徐々に活動を低下する「漸減型」の細胞と、徐々に活動を増加する「漸増型」の細胞に分かれており、様々な待ち時間はこれらの細胞活動の組み合わせで表現されていることが解明されました。
この研究は、脳の時間認知や他の高次認知機能を理解する重要な手がかりとなり、さらに近い将来、脳の信号に基づいた行動についての知見につながると考えられます。ヒューマンマシン・インタフェースなどへの応用の可能性や、脳の機能障害といった臨床への応用も期待されます。
動物が生きるためのコントローラーとも言える脳について、少しずつですがさまざまなことが解明されています。脳の働く場所をプロットした「脳地図」や、これまで研究・発表されたことを時系列でまとめた「脳年表」など「脳」にこだわった研究発表をしてみるのも面白そうですね。
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プロ棋士は0.1秒で定跡かデタラメかを見分ける 脳内活動の探索研究
脳が時間をはかる仕組みを細胞レベルで初めて解明(PDF)
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投稿者 kksblog : 2009年03月10日 11:47