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心に痛みを抱えた人は、妬みや他人の不幸を喜ぶ感情に走りやすい? (2009年02月20日)

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独立行政法人 放射線医学総合研究所、分子神経イメージング研究グループの高橋英彦主任研究員らは、東京医科歯科大学保健衛生学科、日本医科大学精神神経科、慶應義塾大学精神神経科との共同で、fMRIを用いた研究により、人が妬みを持つ感情と他人の不幸を喜ぶ感情に関する脳内のメカニズムを明らかにしました。

妬みは現代人の誰もが持つ普遍的な感情と言えます。また、私達は他人に不幸が起こると通常同情をしますが、反対に喜ぶ場合もあり、“他人の不幸は蜜の味” と呼ばれる非道徳な感情を持つことがあります。これらは私たちがごく普通に持ちうる感情ですが、これらの感情が脳のどのような機能によってもたらされるかはこれまで不明だったということです。

今回の研究では、高橋氏らが考案した心理課題を被験者に与え、その時の脳内の活動をfMRI で解明をしています。その結果、第1に妬みの感情には前部帯状回と呼ばれる葛藤や身体的な痛みを処理する脳内部位が関連していることがわかったそうです。

次に、妬みの対象の人物に不幸が起こると、線条体と呼ばれる報酬に関連する部位が活動することがわかりました。さらに妬みに関連する前部帯状回の活動が高い人ほど、他人の不幸に対して線条体が強く反応することも明らかとなりました。

同研究は、妬みや他人の不幸を喜ぶ感情を脳科学的に解明したという点で画期的な成果だということです。また、特定の脳活動から次に起こる精神状態や脳活動を予測するという脳科学における新たな展開をもたらすことになったとも追記されています。

そして、今後、心の問題の客観的評価、科学的な心理カウンセリングや情操教育法の確立などにも寄与するものと期待されているそうです。

心に痛みを抱えた人は、その心の痛みを軽減するために他人の不幸を喜んだり、不幸そのものを引き起こそうとする非道徳な行動を取る場合が多いとのことですから、学校などの集団においては特に子どもたち一人一人の心理状態に気を配る必要があるでしょう。起こり得る少年犯罪を未然に防ぐ手立てを、大人側がしっかり考えていきたいものです。

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投稿者 kksblog : 2009年02月20日 20:51


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