●都立学校ICT化 校内推進リーダー育成めざして研修実施 (2009年02月09日)
◆09年3月追記 :実物投影機モニター募集!
(応募期間09年3月1日~31日)
<プレイバックNews:教育マルチメディア新聞8月2日号(2)>
校内推進リーダー育成めざして研修実施
東京都では、平成20年度ICT活用指導力向上研修会を都内の高校を会場とし、
8月末までに全10回開催する。全ての都立高校の担当者が研修に参加、その後各校にて担当者が校内研修を実施する予定。
7月22日、都立東大和高校で実施されたICT活用指導力向上研修会の様子を取材した。参加者は東京都内の高等学校教員約40名。
研修担当者は、東京都のICT活用指導力向上スタッフである杉山賢次教諭 (東大和高)、佐藤義弘教諭 (東大和高)、
大坪靖幸教諭 (科学技術高)、嶺直利教諭 (光丘高)ら。
研修会は、PC教室と普通教室で実施され、「タブレットPC」 「プロジェクター」 「移動用カート」 「ポータブルタイプの電子黒板」 「書画カメラ(実物投影機)」ほか様々なICT機器について授業活用事例などをあげ、 実際に準備設定をする、教材を作るなどして活用イメージを拡げていく。当日研修に使われたタブレットPCは、3メーカー4機種。 ポータブルタイプの電子黒板は 「mimio」、プロジェクター用カートは 「PJカート」だ。
◇ ◇
■タブレットPC
PC教室では、箱詰めされたままのタブレットPCが参加者全員に配布された。佐藤教諭は、「各校に一斉に多くのPCが導入されるので、
管理が必要。番号をふって管理するのが一般的だが、バーコードで管理する方法もある。1人で管理できる数ではないので、
事前に分掌対応を考えたほうが良い」 と説明、参加者は各自、ACアダプタとPC本体に、番号シールを貼付した。シールを貼付する場所を
「書画カメラ(実物投影機)」 で示し説明するなど、各校で担当者が研修を実施することが想定された内容だ。
講師がタブレットPCの操作方法を実演した後、図を書いたり、ペン入力を試すなど参加者自身もタブレットPCの使い勝手を体験した。
■普通教室でICT活用
次に、普通教室に移動し、普通教室における 「無理をしないICT活用」について、杉山教諭らが 「ビデオカメラ」 や 「USBメモリ」
を活用したプロジェクターの使用提案や、同校家庭科教員や国語科教員の活用事例、各授業での自作教材やデジタルコンテンツなどを紹介した。
さらに、電子黒板をセッティング、その特徴や使い方を説明。キャリブレーションと呼ばれる 「位置合わせ」 の方法や、提示した画面の一部を拡大する 「ルーペ」 機能、円や三角などを書くと図形として認識、 補正される機能、スクロール機能、電子黒板に書いたものをそのまま移動させる機能、 バツをつけたものが消える機能など多彩なツールを紹介、授業活用イメージを深めていった。
佐藤教諭は、「前任校では、固定型の電子黒板をフル活用していた。電子黒板を授業に活用するだけで、授業が変わる。 直観的に活用できるので、授業に活用しやすいはず」 と説明。また、「実際にはどんな電子黒板が導入されるか、現時点では決まっていない。 製品によって操作性や機能などが異なるので、それを生かした使い方を考えていくべき」 としながらも、 「どのような機能を持つ電子黒板が現場に有用か、教員の立場から要望していくことも大切」 と述べた。
さらに佐藤教諭は、教科書などのテキストを読み込み、デジタル教材として活用することができるソフトウェア 「dbook」 を紹介、生徒に 「今、 教科書のどこをやっているかを提示する」 ことの有用性を示した。その後参加教員は、順次実際に電子黒板を触れる中で、 「実際に触ってみると面白い」 など感想を話しつつ、「背景の色を変えるには」 「ペンの色や太さを変えるには」など、 授業イメージをふくらませていった。
続いてPC教室に戻り、美術科、国語科、数学科、理科、社会科のほか、修学旅行の事前学習など様々な教材を30分程度で各自作成する。 杉山教諭は、「教材作りは、黒板で教材を作成する感覚で。板書は、説明しながら全体図を完成していく。教材作成は、その逆で作ればよい」 とアドバイス、実際に生物の授業で活用した自作教材を何パターンか例示。その後、各グループで自作教材を発表し合い、代表者を選出した。
■電子黒板
午後は、2台のプロジェクター用カートにセッティングされた 「タブレットPC」 「ポータブルタイプの電子黒板」 「プロジェクター」
を4人1チームでPC教室から普通教室に運び、セッティング、自作教材を使った模擬授業を行うまでを、実際に体験した。
今回の研修で活用された 「PJカート」 は、 プロジェクターやPCの配線を接続したまま持ち運ぶことが出来る。スクリーンも一緒に持ち運ぶことが出来、 未使用時にはシャッターを閉めることが出来るので、設置した機器を効率的かつ安全に運ぶことができる。 保管時には鍵をかけることもできる。
準備にかかった時間も計測した。カートをPC教室から普通教室に運び、指定の位置に配置する。最も時間がかかるのがPCの起動なので、 まずはPCに電源を入れる。その間にマグネットスクリーンを黒板に貼り、プロジェクターを接続。電子黒板をセッティング、 キャリブレーションを開始する。無線接続なので、電源を入れるとすぐに設定を開始できる点が 「mimio」 の特長だ。 読み取りセンサーにキャリブレーション用のスイッチがついており、ズレが気になってもすぐに調整できる。
PCが起動したら、先ほど作成した自作教材を保存したUSBメモリを読み込み、プレゼンテーションを開始。ここまでで、 早いグループで約5分。その後、2グループに分かれ、模擬授業を行った。
美術科の先生は、平安時代のデザインをテーマに教材を作成した。まず「片輪車蒔絵螺鈿手箱」と提示、「何と読むのか」 と興味をひきつけてから 「読み方」 を教え、それがどのようなものを表すのか写真を提示、その特徴を説明した。
このほか、インクカートリッジのリサイクル法についての説明や、物理の 「落下」 についての説明教材など、通常の授業が垣間見られる教材作成実習となった。
研修後、佐藤教諭は 「いくつかの機器を使ってみると、どの機器のどの機能が優れているかわかり、自分の授業に必要なものがわかる。 今日参加している先生の役目は、各校にもどって、多くの先生に機器を触っていただけるよう橋渡しすることなので、 新しい機器に積極的に触ってもらいたい」と説明した。
また、電子黒板については「今回初めて使ってみたが、簡易タイプの電子黒板としては 『mimio』
は位置の認識が正確でキャリブレーションが容易で使いやすいと感じた。研修後のアンケートでも、電子黒板への反応が良かった。
書き込みもできるスクリーンは、全教室配備が望ましいが、持ち運びしなければならない場合は移動しやすい環境や道具が必要」と述べた。
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投稿者 kksblog : 2009年02月09日 20:48
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