●都立学校のICT整備 本格化/全教員1万3000人にPC配備 (2009年02月09日)
◆09年3月追記 :実物投影機モニター募集!
(応募期間09年3月1日~31日)
<プレイバックNews:
教育マルチメディア新聞8月2日号>
校内推進リーダー育成めざして研修実施
東京都は今年度から来年度にかけ、「都立学校ICT活用計画」を推進、
本年度予算として約11億円をかけ東京都立学校のICT化に取り組んでいる。そのキックオフとして
「平成20年度第1回ICT活用指導力向上研修」 が平成20年7月3日、東京都教職員研修センターで開催された。参加者は、
各校でICT活用を広げる役割を持つ教員ら約280名で、校内推進リーダーの育成が目的。今後、夏期研修を通じ各校を会場とし、
教員のICT活用能力向上を目指す。
研修は都立高校情報科教員を中心とした東京都のICT活用指導力向上スタッフ29名が担当。さらに11月を目途に、研修用資料を配布、
それをもとに校内研修が実施される予定。また、ICT機器を使えない教員を対象としたコンピュータスキルアップ研修も予定している。
◇ ◇
平成20年、21年の2年間で全都立高校に校内LANを整備し、これまで配備してきた管理職等への個人端末に加えて、
約13000人の教員全員にPCが配備される。日常的な授業に活用できるよう、電子情報ボードやプロジェクター、
教育用コンテンツの整備も行う。
東京都教育庁指導部主任・西田義貴氏は研修会に先立ち、「全都立高校にICT環境を設置するが、 使うのは先生であり、子どもたち。本日の研修において、どんな機器が導入され、どう活用していくのかを知り、 先生方自身が授業で活用を図っていくとともに、各校に広げる役目を担ってほしい」と述べた。
また、東京都のICT環境整備の進捗が全国に比べ大きく遅れていた点については 「現在既に導入済みのICT機器でさえも十分に活用していないのだから、『機器配備を充実しても使わないのではないか』 という指摘も強くあった。しかし、活用しようと思っても、活用できる十分な環境が提供されていない状況にあることが、 こうした実態を招いている一因となっているものと考えている、と意見もしてきた」とこれまでの経緯を説明。今後、本整備が現場教員に100% 活用されることを目指し、さまざまな研修、整備を行っていく。
◇ ◇
当日の研修は、身近な情報機器の活用や、教材提示装置の指導法、公民科の活用事例、 USBマイクロスコープを利用した授業展開例、栄養計算ソフトを活用した食教育、外国語学習での電子情報ボードの利用、 写真を利用した著作権教育の事例、タブレットPC活用などが紹介された。
東京都立小金井高等学校の関口靖教諭は、プロジェクターをビデオカメラと接続、書画カメラのように活用する方法や、写真や動画、 教材を保存したUSBメモリを直接プロジェクターに接続して投映するなど、コンピュータを教室に持ち込まない活用方法などを紹介した。
デジタルカメラを直接プロジェクターに接続して投映することもできる。デジタルカメラの「すぐに撮影できる」特色を生かし、 生徒作品や生徒のノートなどを撮影、教室ですぐに提示することができる即時性がメリットだ。
東京都立光丘高等学校の嶺直利教諭は「教材提示装置」の活用事例の中で、何を投映することで効果的な授業が演出できるか、 について紹介した。
「実際に生徒が使用している教科書やプリント」、「生徒の数だけ準備できない資料・試料」、「精密実験器具や裁縫の縫い目など、 小さくて見えにくい資料・試料」、「書道や調理での実演など、作業のやり方を映す」などと具体的な事例を示し、 「教材提示装置は使用するための下準備がほとんどいらない、手頃なICT機器。実物さえ用意すれば、それを大きく投映して、 様々な授業が展開できる」と述べた。
電子情報ボードの活用事例について、東京都立砂川高等学校の英語科教諭・矢島哲也教諭は 「教科書本文の拡大提示が利点」と説明。「本文を提示しながら説明をすると、教員と生徒が同じ画面を見ることになるので、 皆が顔を上げて説明を聞く」と述べた。
さらに「ペンで書いたものを動かせる」ことから、英文の構文の説明にも有用であることを示した。このほか、 電子黒板を使ったデジタルフラッシュカードの活用や、単語テスト、クリップアートを使った教材制作、書いたものを保存できる機能を使った 「前時の復習」など、様々な授業展開の可能性を示した。
東京都のICT活用計画
平成22年度から完全運用目標に
東京都では「全都立学校におけるICT活用計画の作成と活用計画に基づく授業実践による児童・生徒の学力向上」を目標に、 「ICT機器の整備」「教材コンテンツの整備」「教員のICT活用指導力の向上」を3本柱として、取り組みを進める。
「ICT機器の整備」のために、都立学校IT化推進委員会を設置、平成20年度より2か年で環境整備を終え、 22年度より完全運用できるようにする。また、セキュリティポリシー及び運用規定も整備していくこととしている。
「教材コンテンツの整備」については、校内LANを活用して、 どの学校のどの教室からもアクセスできるシステムを生かすことができるよう、充実を図るとともに、教員が作成した学習教材についても、 積極的に収集・整理してネットワークセンターサーバに蓄積していくことにしている。教材コンテンツの精査についてもシステム化を図り、 著作権や人権等にも十分配慮するとともに、授業研究ヘルプデスクもより活用が図られるようにしていく。 ネットワークセンターを介した全都立校間のネットワーク化も予定。
「教員のICT活用指導力の向上」については、教育委員会が指名した「ICT活用指導力向上スタッフ」が企画・運営して、 「コンピュータスキルアップ研修」と、「ICT活用指導力向上研修」の2本立てを予定しているほか、 教職員研修センターが企画するICT関連の研修を実施していく。さらに、将来的には自学自習が可能なコンテンツも用意し、 都立学校教員が自ら選択して研修できるようにしていくことも予定している。
プレイバックNews:教育マルチメディア新聞8月2日号(2)
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投稿者 kksblog : 2009年02月09日 20:07
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