●教育の普及や教員、教育費などを7カ国と比較、教育指標をグローバルに図る (2009年02月06日)
文部科学省から平成21年版「教育指標の国際比較」が公表されました。
同書は国際比較の需要に応えるための1つの試みとして作成されたもので、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア連邦、中国、韓国などにおける教育の普及、教育諸条件、教育費などの状況が統計文字で示されています。また、同書の第2部、第3部においては、OECD『図表でみる教育 2008年版』を用いて対象国を広げています。
第1部は、教育の普及(就学前教育の在籍率、義務教育後中等教育への進学率、義務教育後中等教育の在学率、高等教育への進学率、高等教育の在学率、高等教育在学者の人口千人当たり人数、学部学生に対する大学院学生の比率、高等教育在学者の専攻分野別構成、学位取得者の専攻分野別構成)について記載されています。
第2部では、教員(教員1人当たり児童・生徒数、1学級当たり児童・生徒数、女子教員の比率)について示されています。
第3部では、教育費(国内総生産(GDP)に対する学校教育費の比率、一般政府総支出に対する公財政支出学校教育費の比率、学校教育費の公私負担区分、公財政教育支出における国・地方の負担区分、学校教育費の使途別構成、学生・生徒1人当たり学校教育費、大学の学生納付金、政府機関等奨学制度)についての調査結果が書かれています。
第1部~第3部まで膨大な調査結果が掲載されていますが、その一部を少しこちらで紹介します。「高等教育への進学率」を見てみると日本やアメリカ、イギリス、韓国では50%を超えているのに、フランスやドイツはそれぞれ40%台、30%台となっています。
また、学級編制基準を各国と比較してみると、日本では小学校と中学校の上限人数が40人なのに対して、フランスでは「なし」、ドイツ(ノルトライン・ヴェストファーレン州の例)では、標準人数が初等教育で24人(範囲:18~30人)、前期中等教育で同じく24人(範囲:18~30人)、ロシア連邦では、初等・中等学校で上限が25人となっています。
この他にもさまざまな国際比較の調査結果が記載されていますので、時間が空いた時にざっと目を通してみてはいかがでしょうか。その国々の文化や事情によって教育の在り方は大きく変わってくるので単純に数字だけで比較はできませんが、日本の教育を外側から見直してみる上で役に立つでしょう。
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投稿者 kksblog : 2009年02月06日 20:10