« 小中学生の「お正月」のイメージは やっぱり「お年玉」と「年賀状」 | トップページへ | 実験主体の授業で理科の魅力に触れる(社会人講師活用型教育支援プロジェクト) »

習熟度別少人数指導や補充的な指導に効果―全国学力・学習状況調査追加分析 (2009年01月22日)

flower090122.jpg
文部科学省は、全国学力・学習状況調査の追加分析の結果を公表しました。これは「全国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議」において、耳塚お茶の水女子大学大学院教授らの分析・研究の成果を取りまとめたものです。

今回の分析では、平成19年度と20年度の調査結果を比較し、「低学力層を減らした学校」や「高学力層を増やした学校」などの取組を分析する、学力層に着目した分析が行われました。また、習熟度別少人数指導に関する分析や、児童生徒の生活面の状況とテストの結果との相関を調べる分析が行われました。

学力層に着目した分析では、低学力層を減らした学校の多くが、長期休暇を利用した補充的な学習指導や、読み書きの習慣を身につけさせる授業を行っていたことが分かりました。一方、高学力層を増やした学校には、地域の人が学校の教育活動に参加する取組や、職場見学や職場体験活動などを行っている学校が多いことが分かりました。

また、低学力層を減らし高学力層を増やした学校の特徴として、学校図書館や地域の博物館、科学館、図書館を利用した授業を行っている学校が多いようです。また、これらの学校では放課後を利用した補充的な学習サポートなども行われています。

習熟度別少人数指導に関する分析では、一定の効果があるとする分析結果が出ました。算数・数学について分析した結果、習熟度別少人数指導を行った学校は、学力上位層が多く、下位層が少ないことが分かりました。また、児童・生徒の算数・数学に対する印象も、「好き」「大切」「よく分かる」など肯定的な回答が多いようです。

また、児童生徒の生活面との関連を調べた分析では、基本的生活習慣や家庭でのコミュニケーションが学力に大きな影響を及ぼすことが分かりました。また、全国学習状況調査の質問項目のうち、中学校国語では「読書が好き」という項目が、中学校数学では「解き方が分からないときはあきらめずにいろいろな方法を考える」が、それぞれ学力と強い関係があることが分かりました。

今回の分析結果は、学力向上を目指す学校にとって参考にはなりますが、今回の分析だけではそれぞれの学校の取組がなぜ学力を上げたかまでは分かりません。文部科学省は、次回の全国学力・学習状況調査についてこれまで以上に結果の活用を行うよう各学校に求めていますが、結果を活用するには、さらなる分析と情報提供が必要なのではないでしょうか。

■関連記事
学校の取組など教育環境と子どもの学習態度・学力の相関関係は?
学校選択制や少人数指導は学力向上の効果があるか? 学力調査からみた実証分析
結果を指導に活かすために 全国学力・学習状況調査の結果分析ツール

平成20年度全国学力・学習状況調査追加分析について



« 小中学生の「お正月」のイメージは やっぱり「お年玉」と「年賀状」 | トップページへ 実験主体の授業で理科の魅力に触れる(社会人講師活用型教育支援プロジェクト) »

最新記事一覧

投稿者 kksblog : 2009年01月22日 17:01


コメント
ブログ内検索
昔の記事を読む
メルマガ・RSSで読む
毎週水曜日、1週間分のニュースをまとめてお送りします(無料)。<サンプルはこちら>

【購読はこちら】
ネタを提供する
教育に関するネタ大歓迎。お気軽にどうぞ!!



ネタなどへのお返事
KKSブログ for mobile
mobileaccess.gif

最新15記事の大事なトコだけ読めるようになってます。あと、古い携帯は文字化けするかも


KKS Web News 教育家庭新聞(C) KKS ブログトップ