●2018年の食料価格は上昇傾向~農水省による世界の食料需給見通し (2009年01月25日)
農林水産省(農林水産政策研究所)は、平成20年度より開始した世界の食糧需給に関するプロジェクト研究の一環として、「世界食料需給モデル」を開発し、2018年における世界の食料需給見通しに関する定量的な予測分析を行ない、その結果を公表しています。
予測結果としては、食料価格は2006年以前に比べ高い水準で、かつ、上昇傾向で推移する見通し。
これは、世界の食料需給が、中長期的には人口の増加、所得水準の向上等に伴うアジアなどを中心とした食用・飼料用需要の拡大に加え、バイオ燃料原料用需要の拡大も影響し、今後とも穀物等の在庫水準が低く需給がひっ迫した状態が継続する見通しによるものです。
今回新たに開発した「世界食糧需給モデル」は、食料の輸入国の立場から分析を行なうという視点で、日本と同様に食料輸入国であるアジア各国に重点を置き、農林水産省が独自に収集してきたデータや情報も活用し、主要なアジアの国々の食料需給実態をモデルに反映。バイオ燃料が食料需給に与える影響については、農林水産政策研究所による最新の研究成果を活用した予測を実施しています。
具体的な世界の食料需給の見通しとしては、まず、穀物の消費量は、2018年までの12年間で、5億トン増加し、消費の伸びに生産が追いつかず、期末在庫量(率)は低下、価格は実質で7~17%上昇。穀物貿易の偏在化の傾向は引き続き拡大します。肉類の消費量は、年間1年当たり消費量の伸びが増加し、価格は実質で5~13%上昇する見通しです。
この予測結果は、これからありうるひとつの形。食育が注目されている今、身近な食生活の見直し、そしてこの結果を踏まえた政策によって、よい見通しに変えていくこともできるのではないでしょうか。
なお農林水産省では、今回の世界の食料需給見通しは、各国政策の変更や今後の気象変動などを配慮していないし全体の予測として試算を行なった結果であることから、今後は気象等による需給ひっ迫の想定や主要国の政策などについて、将来の状況を仮定した場合の予測も実施していきます。
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投稿者 kksblog : 2009年01月25日 08:27