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母親の愛に応える免疫系に関する新たな発見~アメリカの科学ニュースより~ (2008年12月11日)

Web版Science Magazine Japanのハイライト記事によると、妊娠している女性は母体の細胞が胎児の体内に入るが、胎児の免疫系は、後年獲得される体外からの異物を攻撃する免疫系とは異なり、母体由来の細胞に対して攻撃せずに免疫寛容を獲得することを学習していることが報告されました。

この免疫寛容は少なくとも成人期初期まで持続することから、臓器移植を必要とする患者が、母親に由来する組織に類似した組織に対して免疫寛容を示す理由が説明できるかもしれないとのことです。

これまで研究者は長年にわたり、発達中の胎児の免疫系が異物に対して非常に高い免疫寛容を持っていることに気づいていました。

しかし、ヒト胎児の免疫系についてそれ以上のことはほとんどわかっていませんでした。マウスを使った研究はこれまでいくつか行われてきましたが、マウスとヒトの免疫系の発達速度は異なるため、両者の子宮内での異物に対する反応にはかなりの違いがあったそうです。

Jeff Moldらはヒトの組織を研究して、驚くほど多量の母体由来の細胞が胎児のリンパ節内に侵入していることを報告しました。そこでは、侵入した細胞が一群の制御性T細胞を誘導して母体由来細胞に対する胎児の免疫反応を抑制させているということです。

マウスの免疫系とは対照的に、ヒト胎児のT細胞は、母体由来抗原の刺激に反応してみごとに制御性T細胞になる傾向があるようです。誕生後、これらの制御性T細胞は母体由来細胞に対する免疫反応を抑制し続けることができると著者らは報告しています。

今回明らかになった新しい研究結果が、さまざまな病気の解明や生物の謎を解き明かすカギになるかもしれません。こういった研究が良い方向へ発展していくことで将来への期待が広がりますね。

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投稿者 kksblog : 2008年12月11日 19:35


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