●小中一貫教育の検証について―品川区教育委員会 (2008年12月02日)
品川区教育委員会は、小中一貫教育に関する検証報告をまとめ、ホームページで報告しています。
品川区は、全国でも早くから小中一貫教育に取り組んできました。平成18年以降各地区ごとに小中一貫校を開設し、平成25年までに6校の小中一貫校を開設する予定です。区は小中一貫教育に向け、独自のカリキュラムや教材をつくったほか、区独自の取り組みとして小学校1年からの英語学習や人間形成を目的とした「市民科」の授業などを行ってきました。
今回の検証報告は、そうした区独自の取り組みについて成果を検証し、今後の解決につなげるものです。
まず、最初の1年を振り返った第一年次報告では、独自のカリキュラムに関する課題が多く挙げられました。
小学1年から英語を学ぶ小学校英語科では、多くの児童が意欲的に取り組む一方、本来のねらいであるコミュニケーション力の育成は不十分であることが見えてきました。導入については65%の教員が賛同しているものの、指導の困難さを感じる教員も70%いるという結果でした。
また、道徳や特別活動などを一体化させて人間形成を行う市民科では、80%の教員が意義を認めている反面、学んだことの実践や独自教科書の効果的な活用について課題があることが分かりました。
これに対し、2年目は、市民科の学習の進め方が定着し、市民科で学んだことを学校行事や他教科、生活習慣の中で実践しようとする取り組みが増えてきたとしています。また、小学校英語科も、指導体制が確立したことで1年目に比べ指導に対する教員の不安が解消されたということです。さらに、児童・生徒の英語を聞き取る能力が前年度より確実に高くなり、小学校英語の成果が表れ始めています。
このほか、国語の語彙力や算数・数学の計算力について、独自の教材やカリキュラムによって、学年を超えて繰り返し学習することが可能になり、基礎的な学力の定着率が高まっているということです。
区では、今後も検証を続け、区の教育内容を充実させたいとしています。
新たな取り組みを行うだけでなく、その成果を検証し報告するというのは、とても大事なことだと思います。今後も、検証で見えてきた課題の解決に向けて取り組みを進めてほしいですね。
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投稿者 kksblog : 2008年12月02日 17:27