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英語力にはなぜ個人差があるの?脳の「文法中枢」の働きがカギに (2008年11月18日)

科学技術振興機構(JST)基礎研究事業の一環として、東京大学 大学院総合文化研究科の酒井邦嘉准教授の研究チームは、宮城学院女子大学 英文学科の遊佐典昭教授らとの共同研究において、脳活動の個人差を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で調べたところ、外国語としての英語力と密接に関係する複数の脳部位を特定することに成功しました。

英語の習得開始が中学1年の場合、中学生から大学生にかけての6年間の学校教育で英語が定着するに従って、脳の「文法中枢」の活動が高まり、維持され、節約されるというダイナミックな変化が見られることが明らかとなっています。

一方、英語の習得を小学時に開始して学校教育で英語が定着していく過程で、中高生までに文法中枢の活動がどのように変化するかについては明らかになっていませんでした。

今回、英語の習得期間が異なる2群の中高生を対象として、英語文の文法性に関する課題を行っている最中の脳活動をfMRIで測定し、その個人差を詳細に分析しました。

その結果、習得開始が中学1年の群では成績に比例して脳の「文法中枢」の活動が高く、習得開始が小学1年の群では英語力が身につくほど文法中枢の活動が節約されていることが分かりました。また、脳の「文章理解の中枢」の活動は、英語の文を処理する時間について両群で異なる相関性を示しました。

小学生から中高生にかけての今回の結果と、中学生から大学生にかけての既知の研究結果を合わせて考えると、外国語としての英語力の定着は習得開始の年齢だけでは説明できず、6年以上にわたる英語接触量の重要性が強く示唆されることがわかっています。今回の成果は、語学教育の改善や言語の獲得機構の解明へとつながるものと期待されているそうです。

国際社会の波が高まっている現状を考えると、やはり英語スキルの需要はこれからますます増加していきそうです。子どもたちに英語アレルギーを発症させないためには、楽しく英語を学ぶことができるような機会(英語との接触)を自然に増やしてあげることが大切なのではないでしょうか。

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投稿者 kksblog : 2008年11月18日 19:09


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