●「つながり」維持のため、「ネタ動画」の交換が高校生の主流になる? (2008年11月12日)
モバイル社会研究所は、モバイルデジタル文化についての研究報告を発表しました。
「モバイルデジタル文化」という言葉は、Wikipedia にも載っていない「新しい」文化に対するコンセプトのことを指します。この文化そのものが現在進行形のものであり、確固たる型が存在していないことも事実です。
まず、重要なコンセプトとして浮かび上がってくるのが、「わたし」の境界の調整ツールとしてのモバイルデジタルなモノの存在です。デジタルなコンテンツ・アプリケーションを蓄積することでケータイは、実世界・リアルな空間においてその場の環境や人々と自らとの関係性を構築・調整・断絶するための道具となっていると、同研究では指摘されています。
従来、こうしたもう一人の「わたし」を作り出すためには、言葉や振る舞い・見かけをコントロールする必要があり、これを身につけるためには、その環境毎に別途道具(服装などを含めた)が必要であったり、ある程度の経済力や知識が必要とされてきました。しかし、モバイル機器は多くの人々にとってすでに持っているもので、使うための訓練も必要ではありません。
その意味で、モバイルデジタル文化は「あまり持っていない人々」たちの手による、力強い生活文化であるとも言えます。しかし一方でその裏返しとして、モバイルでデジタルなモノが失われた場合、コミュニケーションが崩壊する側面も考えられるだろうと指摘しています。
その点において今後モバイルデジタル文化の土壌を如何に整備していくかは重要な課題となっています。モバイルデジタル文化の主な担い手がケータイのハードユーザーである若者層であることを考えると、「学校裏サイト」や「自殺マニュアルサイト」のような現存するコンテンツが若者へ及ぼす「悪影響」も十分に考慮しなければなりません。
また、特に高校生は「つながり」を維持しようとしている部分があるので、「つながり」維持のための「ネタ動画」や「動画による広告」などの交換が今度はコミュニケーションツールとして一層重要になってくると予想されています。
ケータイ小説、SNS、モバイルブログ、ワンセグ、iPodなどなど若者の周りはモバイルデジタルで溢れ返っています。しかし、「学校裏サイト」や「自殺マニュアルサイト」のようなサイトが及ぼす悪影響を考えると、手放しで見ているわけにはいきません。今後は、ますますモバイルデジタルに関する教育が早期から望まれますね。
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投稿者 kksblog : 2008年11月12日 17:19