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地域拠点をつくって理科教育の充実を―科学技術振興機構「中学校理科教育を充実し、科学技術創造立国の確固たる基盤を」より (2008年11月10日)

科学技術振興機構(JST)はこのほど、「中学校理科教育を充実し、科学技術創造立国の確固たる基盤を」という報告書をまとめました。この報告書は、現在の中学校理科教育をめぐる諸問題を分析し、その改善策の検討結果をまとめたものです。

報告書は、中学校理科教育の問題は、理科教員が実験・観察を十分にできない現状や、生徒が理科に興味を持つ機会が少ないことにあるとした上で、理科教育の地域拠点となる学校の設置や、科学コンテストなどで生徒の関心を高めることなどを柱とする解決策を提案しています。

この報告書では、現在の中学校理科教育が抱える問題を、中学校理科教員、生徒、地域・社会の3つの視点から分析しています。

このうち中学校理科教員の課題としては、多忙な環境や予算不足などによって観察・実験を十分に行えないことが問題であるとしています。理科教員の養成についても、大学で実践的な指導力を身につけさせていないことや、教員になった後の研修が不十分であることが指摘されています。

一方、観察・実験の少ない授業などの影響で、生徒は理科の意欲向上につながる体験機会が少なくなっています。本来学校の理科教育を補うはずの「理科センター」などの外部機関も、機能が低下したり、中学校教育とうまく連携する仕組みが築けていないなどの問題があります。

こうした問題を解決するための方策として、
・理科教育の地域拠点(コアスクール)の創設
・地域の理科教育を活発にするためのリーダーの養成
・理科教員に必要な指導力の基準づくり
・科学フェスティバルやコンテストの推進
などを挙げています。

これは、地域ごとに理科教育の拠点をつくり、その学校や教員が地域の学校の理科教育のリーダーとなり、地域の理科教育を主導していくものです。また、理科教育に必要な指導力に明確な基準をつくり、それに応じた教員養成・研修の仕組みをつくるほか、生徒に対しても科学フェスティバルなど、理科に興味を持つ機会を増やしていくことが必要であるとしています。

相次ぐ日本人のノーベル賞受賞に沸く一方で、子どもたちの理科離れはますます深刻になっています。現状の課題を見つめ直し改善することで、科学に興味を持ち、理科をおもしろいと感じる生徒が増えるようになると良いですね。

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報告書「中学校理科教育を充実し、科学技術創造立国の確固たる基盤を
-学校と社会が一体となって、理科を学ぶ意義を子どもたちに-」の発表について



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投稿者 kksblog : 2008年11月10日 18:43


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