●21世紀を豊かに生きるための「科学技術の智」~日本学術会議 (2008年11月10日)
「科学技術の智」とは、21世紀の日本の社会が、真の意味で豊かであり続けるために、すべての日本人が身に付けるべき科学・数学・技術に関わる知識・技能・考え方を明示することを目指し、科学技術リテラシー小委員会のイニシアチブによって、平成18・19年度科学技術振興調整費「重要政策課題への機動的対応の推進」調査研究として実施されたプロジェクトです。
「科学技術の智」の内容は、基本的には、2030年の時点で日本における全ての大人が身に付けていることが望まれる科学技術の素養を提示しようとするもので、このプロジェクトの成果は、専門分野別の報告書および総合報告書の形で、今年公表されました。
科学技術リテラシー小委員会においても、プロジェクトの成果をもとに、科学技術を支える智の在り方について検討を進め、本報告書をまとめるに到りました。
このプロジェクトは、これらの報告書の公表をもって終了するのではなく、むしろ、正に今生まれた子どもたちが、22年後の2030年に成人として社会で活躍する時までに、「科学技術の智」が社会全体に行き渡っている状況を作り出していくための幅広い運動の出発点としています。
人類と他の生物を含む地球の持続可能性を脅かす課題に対し、人々が協働して取り組めるよう、「科学技術の智」を全ての人々が共有している状況を創出したく、そのためには、現在までに、歴史的に継承してきた文化や感性をも活かしつつ、「科学技術の智」を定着させていくことが重要であると考えられます。
また、目の前の現象を観察して、その背後にある見えない仕組みに思いを馳せる、という想像力と論理性を生み出す科学の文化としての価値も重要である、としています。そして、この想像力と論理性が自らの存在の在り方の点検に向けられる時、人間は倫理性をも獲得するのであろう、としています。
子ども達が成長していくまでの時間は、長いようで短くもあり、長期に渡っての活動が必要となるわけですね。
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投稿者 kksblog : 2008年11月10日 10:29