●学校、家庭、地域が協力して自立した人間を育てる―静岡県「理想の学校教育具現化委員会」提言より (2008年11月03日)
静岡県の「理想の学校教育具現化委員会」は、静岡県の理想の学校教育を実現するために必要な施策について「理想の学校教育を目指して」とする提言をまとめました。
この委員会は、今後の静岡県の学校教育の在り方を考える目的で設置されました。教育委員会の「学校を取り巻く実態状況調査」の結果をもとに現状を良くするための改善策を話し合うほか、教育の中で学校教育が担うべき役割を考え、学校教育の理想の姿について議論しています。
今回まとめられた提言では、今後目指すべきテーマとして「有徳の人の育成」を挙げ、学校、家庭、地域が一体となって子どもたちを育てるべきであるとしています。
「有徳の人」とは、個人として自立し、社会の一員としてより良い社会づくりに参画する人のことを指しています。
静岡県の「学校を取り巻く実態状況調査」の結果明らかになったのは、
・児童生徒の授業の理解度や満足度は十分ではない
・本来家庭で行われるべき教育も学校の役割になってしまっている
・親や教員以外の大人と接する機会が少なく、「常識」の伝承が行われにくい
などの課題でした。
その一方で、
・教員が教材研究に取り組むべき時間が十分になく、事務処理に追われている
・NPOや企業との連携による授業を実施いている学校の割合が低い
などの課題も明らかになりました。
こうした課題を踏まえ、提言では、「自立した人間を育てる」ことを目標に、保護者・地域・外部人材と協力することで、学校の負担を軽くし、教員が授業の質向上に専念できる体制をつくるよう求めています。また、こうした学校・家庭・地域の連携によって、子どもたちに親や教員以外の大人と接する機会をつくることで、社会性を身につける手助けになるとしています。
具体的には、
・学校業務の整理・効率化、および事務職員の加配
・30人学級編制の導入
・スクールカウンセラー、部活動の外部指導者など専門家の配置拡充
・学校支援地域本部の設置
などによって、現状の課題を克服するべきとしています。
今回の提言で挙げられている課題や改善策は、静岡だけでなく、多くの地域にあてはまる内容ではないでしょうか。
本来、教育は学校だけでなく家庭や地域も一体となって行うべきものです。私たちは学校に何かを求めるだけではなく、私たち自身が地域の教育に対してできることがないか考えてみるべきかもしれません。
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投稿者 kksblog : 2008年11月03日 16:59