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図書館は静粛な場ではなく、カフェを併設した談笑の場 これが未来の図書館像? (2008年10月17日)

東北大学の学生グループ「仙台都市デザイン研究会」がこのほど、公共図書館がない福島県桑折町の蚕糸工場跡地に、カフェと図書館が融合した施設「カフェ図書plat」をオープンさせました。

「plat」という店名は英語で「見取り図」の意味で、店に行けば町のことが分かり、誰でも気軽にプラっと入れる場所にしたいとの思いを込めているそうです。

本や家具は町民から譲ってもらい、蔵書は2000冊以上ということです。また、店内で本を読めるほか、希望者には無料で貸し出しをしています。このほか、スペシャルコーヒー(400円)や手作りのクッキーとジュースが付く子どもセット(100円)などを提供しています。

工学部建築学科4年生の苅谷智大代表(22)さんらは昨年9月から、桑折町の地域活性化にかかわるコンサルタント会社の紹介で、まちづくり活動に参加していたそうです。そして、町中心部に図書館がないことから、喫茶店と図書館を融合した店の開設を思いついたそうです。

10月13日に英国ニュースサイトのUK Todayに、「静かな図書館がなくなる? カフェを併設、談笑の場へ」という記事が掲載されました。内容は、図書館は静粛な場ではなく、カフェを併設した談笑の場であるべきという政府の新しい方針が発表されたというものです。

これは、今月9日にリバプールで行われた会議で発表されたもので、これからの図書館はカフェや書店、映画センターを併設した総合施設になるべきであると提案しているそうです。その背景には、英国内の図書館の貸出率は、過去10年間で34%も減少しており、昨年だけで40ヵ所の図書館が閉鎖になっているという現状があります。

アンディ・バーナム文化相は、図書館はあまりにも陰鬱で、親しみに欠けているとしたうえで、「図書館は単なる『本棚』となったり、e-bookの時代に方向を見失ったりしてはならない。図書館は家族のための場、楽しみや談笑の場であるべきだ」とコメントしています。

また、バーナム文化相は、『談笑』という言葉は、伝統主義者の心臓に恐怖感を抱かせるかもしれないが、図書館は、家でインターネットをやっている孤独な人々への解毒剤を提供する社会的な場でもあるべきだとも説明しています。

図書館では、飲食禁止、おしゃべり禁止、携帯電話禁止などいろいろな厳しいルールを守るのが普通だと思っていましたが、未来の図書館像がこれからどんどん変わっていきそうな動きが見えています。図書館がカフェのようになることで、今まで足が遠のいていた子どもたちがもっと気軽に利用できるようになれば理想的ですね。

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投稿者 kksblog : 2008年10月17日 17:37


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