●「小児環境保健疫学調査」(環境と子どもの発育に関する調査)~環境省 (2008年10月17日)
環境省の「小児環境保健疫学調査」(環境と子どもの発育に関する調査)のページがインターネット上にでき、閲覧することができるようになりました。
近年、小児に対しての環境リスクが増大しているのではないか、との懸念があり、化学物質を中心とした有害物に対する小児の脆弱性について、大きな関心が払われています。
環境省では、環境リスクが私たちに与える影響を明らかにするために、子どもたちの健康をお母さんのお腹にいる時から12歳になるまで、定期的に健康状態を確認する出生コホート(追跡)調査を新たに立ち上げることになりました。それが、「小児環境保健疫学調査」です。
この「小児環境保健疫学調査」は、2010年度より、全国各地で6万人のお母さんになる方々を対象に、調査が開始されることが目標となっており、本格実施のための準備が進められています。
環境リスクが人間の健康に与える影響を明らかにするため、従来から動物実験、基礎研究を中心としたメカニズムの解明が図られてきています。一方で、動物と人間とでは、形態学的、生理学的に大きな違いがあることから、動物実験の結果だけから人間の健康影響を知ることには困難があります。人間に悪影響が生じているのかどうかを、実際に人間の集団で観察する疫学的なアプローチが重要になります。
脆弱であるとされている子どもたちの健全な発育に、環境要因が与える影響を明らかにすることは重要で、化学物質のばく露や生活環境など、胎児期から小児期にわたる子どもたちの発育に影響を与える環境要因を明らかにするため、環境省では疫学調査によるアプローチを計画しています。
疫学調査によって子どもの発育に影響を与える環境要因が明らかとなれば、リスク管理部局への情報提供を通じ、自主的取組への反映、化学物質規制の審査基準への反映、環境基準(水質、土壌)等、適切なリスク管理体制の構築へとつなげることができるというわけです。
本格的な大きな調査ということで、協力するお母さん子どもさんには多少負担がありますが、国民全体としては、期待の持てる調査ですね。
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投稿者 kksblog : 2008年10月17日 13:32