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すばるの研究チーム、銀河から飛び出す火の玉を発見! (2008年10月09日)

国立天文台と東京大学の研究者からなる研究チームが、すばる望遠鏡主焦点カメラを用いて、かみのけ座銀河団を観測し、銀河から延びるフィラメント状の不思議な構造を発見したそうです。

この構造は若い星と電離ガスからなり、銀河団中の銀河RB199から南に約26万光年にわたって広がっており、あたかも銀河RB199からいくつもの塊がまっすぐに飛び出しているかのような形をしています。その形態にちなんで、研究チームはこの構造を「火の玉(fireballs)」と呼んでいます。

「火の玉」は、いくつかの明るいかたまり(knot)と、それに繋がる青いフィラメント、明るいかたまりに付随する電離ガスなどから構成されています。明るいかたまりは、さしわたし3000~6000光年の大きさを持つ若い星の集団で、電離ガスが付随していることから、この場所で活発に星生成を行っていると考えられます。

それぞれのかたまりは、太陽の1000万倍程度の質量を持っています。RB199と明るいかたまりを繋ぐかのように延びる青いフィラメントも、若い星からなりますが、電離ガスが見られませんので、すでに星生成は終了してしまっていると予測されているそうです。

フィラメントの色を注意深く調べると、銀河から離れるに従ってより青くなっており、外側ほど星の年齢が若いことを示しています。このような特徴から、銀河RB199からはぎ取られたガスが星を作りながら銀河間空間を伝播していって「火の玉」を作ったのではないかと考えられているとのことです。

「火の玉」は銀河間空間で起きている星生成の現場だということです。そのサイズや質量から考えて、明るいかたまりは将来、矮小銀河に進化するかもしれないと言われています。

衝突はぎ取り現象自体は、近傍の銀河団でしばしば観測されています。しかし、今回の「火の玉」のように、はぎ取られたガスが星を作りながら銀河間空間にただよっているというケースは非常に珍しく、近傍銀河団では初めて見つかったものだそうです。

ちょっと疲れた時に宇宙のことを考えると、自分の悩みがちっぽけに思えてまた頑張ろうという気持ちが湧いてきませんか?子どもたちと一緒に夜の空を見上げながら、今回の「火の玉」の話をしてあげてはいかがでしょうか。きっと宇宙への興味がもっと深まるはずです。

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投稿者 kksblog : 2008年10月09日 15:29


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