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グローバル化、人口減少…未来の大学の在り方について議論されるべきこと (2008年09月22日)

文部科学省は「中長期的な大学教育の在り方について」について、大臣の諮問理由説明をホームページ上で公開しました。

中央教育審議会では、平成13年の「今後の高等教育改革の推進方策について」の諮問にもとづいて、総会、大学分科会などにおいて多岐の論点を精力的に審議してきましたが、大学教育をめぐってはその質の保証と社会からの信頼をより一層高めるため、転換と革新のための議論が必要になっていると考えているそうです。

これから議論されるべきこととして挙げられている事項は、「社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度及びその教育の在り方について」、「グローバル化の進展の中での大学教育の在り方について」、「人口減少期における我が国の大学の全体像について」の3点です。

具体的には、大学教育の水準の維持・向上を図りつつ、さまざまなニーズに適応する大学教育の実現の方策について学生本位の視点に立った検討をしてほしいとの要望や、一人ひとりの学生のニーズに応じた大学教育が提供され、その質保証がよりきめ細かく行われるよう、「学位プログラム」を中心とする仕組みの導入について検討して欲しいとの要望などです。

また、医療系人材などの社会的な要請の特に高い分野における教育課程の充実、教育活動の評価、社会との連携など人材養成の在り方についての検討や、社会人や留学生などの多様な背景を備えた学生への支援や大学院博士課程学生への教育の在り方や修了者への支援に関して、どのような方策が必要か検討して欲しいとのことも明記されています。

また、「グローバル化の進展の中での大学教育の在り方について」として、文部科学省では、2020年の実現を目途とした「留学生30万人計画」を関係省庁と連携して推進しています。そうした状況も踏まえて大学の国際競争力の向上のために、大学における教育・研究、学生支援や環境整備などの機能はどうあるべきかという質問も検討の対象となっています。

「人口減少期における我が国の大学の全体像について」では、人口減少期における状況、充足率の状況などを踏まえた大学の全体像についてその健全な発展に向けた検討や、高度専門職業人などの多岐にわたる分野の職業人、研究者、地域社会に不可欠な分野の人材などそれぞれの人材養成需要に対応した大学政策の在り方について検討して欲しいとのことです。

世界の大学に乗り遅れないように、教育専門家たちの議論によって日本の大学システムがより良い方向へ進んでいくことが望まれます。この議論にはある程度時間がかかるようですが、どのような検討結果になるのか楽しみですね。

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中長期的な大学教育の在り方について
文部科学大臣諮問理由説明



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投稿者 kksblog : 2008年09月22日 21:15


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