●就学前教育を受けた児童とそうでない児童では算数の点数に差が出る―イギリスの調査より (2008年09月08日)
就学前教育を受けた児童と受けていない児童では、10歳以降の学力に差が出るという調査結果が明らかになりました。
これは、イギリスの研究者Edward C.Melhuishらの調査によるもので、10歳の児童を調べたところ、就学前教育を受けた児童は、受けていない児童に比べて算数のテストで高い得点を上げる傾向があるということです。就学前教育の重要性を示す研究結果として注目されそうです。
調査は、全英の3、4歳から10歳までの児童を対象に行われました。就学前教育や初等教育について研究するヨーロッパ最大の長期研究であるEPPE(Effective Pre-school and Primary Education)のデータをもとに、10歳児の家庭学習環境、就学前教育の効果、初等教育の効果、算数の習熟度を調べました。また、児童の性別や親の収入・職業的地位・学歴など、児童の学力に影響を及ぼす可能性のある事柄について検討を行いました。
その結果、家庭学習環境と就学前教育および初等教育が10歳児の算数習熟度にそれぞれ重大な影響を及ぼしていることが分かったということです。Melhuishらによれば、質の高い就学前教育が最も大きな影響を及ぼすのは、中等教育の数学であるということです。
就学前教育の成果に関する研究は、これまで環境に恵まれない児童を中心にしたものであったということですが、今回の研究は一般の児童を対象にした研究です。今後、一般の児童を対象に就学前教育の効果についての研究がますます進むことが期待されます。
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投稿者 kksblog : 2008年09月08日 08:35