●昨年同様知識の活用力に課題―平成20年度全国学力・学習状況調査の結果より (2008年09月05日)
先月29日、文部科学省は平成20年4月に実施した平成20年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表しました。これに対し、総合教育機関河合塾は、調査結果に対する分析とコメントを発表しました。
昨年度のテストでは、知識を問う問題の正答率は高いものの知識の活用力を問う問題の正答率が低い傾向にありましたが、今回のテストでも昨年同様知識の活用力に課題があることが分かりました。今後、「活用力」を身につけるための対策がますます重要になりそうです。
今回の全国学力テストは、小学校6年生と中学校3年生232万人を対象に行われました。教科に関する調査と、生活習慣や学習環境に対する質問紙調査が行われ、教科に関する調査では、国語と算数・数学を対象に、「知識」に関するA問題と、「活用」に関するB問題に分けて問題が出題されました。
今回の全国学力テストの正答率は以下の通りです。
小学校 国語A 65.6% 国語B 50.7%
算数A 72.3% 算数B 51.8%
中学校 国語A 74.1% 国語B 61.5%
数学A 63.9% 数学B 50.0%
これらは昨年度の正答率と比べると全体的に低くなっていますが、問題の難易度が高かったためで、学力が低下しているわけではないようです。このことは過去の調査と同一の問題の正答率に変化がなかったことからも分かります。
問題の種類別の正答率を見ると、すべてにおいて知識を問うA問題に比べ、活用力を問うB問題の正答率が低いことが分かります。これは昨年度とほぼ同様の結果で、日本の子どもたちが知識の「活用力」に課題があることを改めて浮き彫りにしました。
河合塾では、こうした「活用力」強化に関する取り組みが今後ますます活発化し、教材開発や指導技術の研修などに結びついていくのではないかとしています。また、一部高校入試で、今回のB問題のような知識の活用力を問う問題が出題されるようになっており、そうした出題が増す可能性があるとしています。
実際社会に出て必要になるのは、知識よりもそれを活用する力である場合が多いものです。今回の結果を踏まえ、子どもたちが知識を使って考える力を身につけられるような教育の在り方を考えていきたいものです。
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投稿者 kksblog : 2008年09月05日 15:24