●学校での転落事故防止に向けて―文部科学省 (2008年09月04日)
先月29日、文部科学省は「学校における転落事故防止の留意点について」を公表しました。これは、今年6月に杉並区で小学生が天窓から転落した事故を受け、転落事故防止について有識者による検討を行った結果をまとめたものです。文部科学省は、この結果を都道府県教育委員会等に通知するとともに、参考資料として「学校における転落事故防止のために」を配布しました。
今回まとめられた転落事故防止の留意点は、以下の通りです。
・全国の事故情報の共有
・学校の安全点検および現状把握
・転落の危険についての安全指導
・出入口の施錠などの施設面の配慮 など
「全国の事故情報の共有」については、独立行政法人日本スポーツ振興センターの提供する事故情報の活用も含まれています。
また「学校の現状把握」については、教職員だけで行うのではなく専門家による安全点検や、児童生徒や保護者が参画して現状把握を行うなど、多面的な安全点検と共通理解をはかることが望ましいとしています。
このほか、個別事項として、天窓、屋上、バルコニーなど設備ごとに転落防止の留意点がまとめられています。いずれも、防護柵の設置や、出入口の施錠など、児童生徒がその場所に近づきにくくすることが重要であるとしています。また、駐輪場の屋根や天井裏など、本来人が乗ることを想定していない場所についても、乗ることで破損して事故につながることを児童生徒に十分理解させることが重要であるとしています。
学校の安全に関する検討は今後も継続的に行われる予定で、学校の安全に関わる教職員用DVDの作成や、「学校施設整備指針」の改訂などが予定されています。
今回示された留意点の中で、学校の現状把握への児童生徒や保護者の参画が含まれたことはとても興味深いです。杉並区の事故が通常乗ると想定されていない天窓に乗ったことから起きたように、子どもは大人が想定できない行動をとることがあります。学校の教職員だけでなく、子どもや保護者が一体となって、学校の安全について考えるようにしたいものです。
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投稿者 kksblog : 2008年09月04日 15:00